飛騨市古川町恒例の1月15日の「三寺まいり」に行って来た。三寺は浄土真宗の円光寺・本光寺・真宗寺の三寺である。
当初、真宗寺・本光寺は東本願寺派、円光寺は西東本願寺派だったが、1705年真光寺・本光寺が西本願寺派に転派したことにより、どの寺の檀家も分け隔てなく三寺をお参りすることが出来るようになった。
古川の三寺まいりは毎年9日から16日まで親鸞聖人の徳を偲びながら御七夜の行事が行われ、特に15日の晩は聖人のご往生になる前夜として、各寺共徹夜で読経、ご伝鈔の朗読・説教の聴聞が行われるので、これにならって西本願寺三寺を巡拝し各寺で勧行に参加する習わしとなった。これが現在も引き継がれ毎年1月15日三寺をお参りするようになった。古川の手作りの大和ろうそくも夜を徹しての行事の為、本堂を照す必要から生じたということのようだ。
明治、大正時代野麦峠を越えて諏訪へ糸引きの出稼ぎにいった娘たちが、1年の奉公を終えて着飾って瀬戸川の川べりを歩き、勤行に加わり男女の出会いが生まれたことから縁結びが叶うお参りとして知られるようになった。飛騨古川の小唄に「嫁を見立ての三寺まいり・・・・・」の歌詞があるそうだ。
三寺まいりのイベント
☆雪像ろうそく ☆千ろうそく ☆祈願とうろう流し
その他「和装姿で三寺まいり」を気楽に楽める様、着物一式のレンタルも行っいる。
雪を固めて作った高さ2mのろうそく 16時から点灯された
ろうそくの灯は灯油ランプのようだ。
高さ2mの雪像ろうそくは、交差点を中心に縦・横それぞれ
の目抜き通りに、100mを超えて立ちならんでいる。
祈願成就を願うとうろうを瀬戸川に流す町の人。 千本ろうそくの中心部分(まだ僅かである)
千本ろうそくを灯すイベントに参加する娘さん・・・・瀬戸川沿いに願いを込めて白いろうそくを灯してお参りし、願いが
叶ったら次の年に赤いろうそくを灯してお礼参りをします。通路の脇に白・赤のろうそくと祈願とうろうを販売している。
千本ろうそくのお参りは21時までだが、総てにろうそくが灯されるだろうか、ろうそく立てはおよそ500本
程度の様であった。祈願とうろうも此の瀬戸川を流れてくる。
左の写真は古川町の「三嶋和ろうそく店」で、全工程を手作業で
行っており、工程の全てが手づくりというところは、全国でもここだ
けといわれている。
江戸時代から続く手づくりの和ろうそくで、「生掛ける(きがけ」)和
うそく」といわれ、原料はすべて天然の植物性だそうだ。
生掛とは「幾度も幾度も塗る(塗りつける)、重ねる」の意味だそうだ。