杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

やれば出来るもんですね(白馬主稜Climb and Ride)

2014-04-17 20:16:11 | プライベート山行記録
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今週本州は高気圧に覆われる予報。このチャンスを逃してはと、急遽山行を計画。もちろんClimb and Ride! ルートの候補はいくつかありましたが、今回は前夜泊日帰りのため、白馬主稜から2合雪渓を滑降に決定。標高差2000m、しかも3000m級の山岳。これと同じスケールの山行をやったのは5年前の剣尾根ワンデイ。やり遂げられるだろうか。しかも今回はClimb and Ride。



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水曜日の早朝4:20、二股に車を止めていざ出発。除雪された道を1時間で猿倉へ。ここからはスキーを履いてハイクアップ。
白馬尻から主稜末端に取り付き、急雪壁とナイフリッジの連続した雪稜登攀。
稜上はおおむね安定した雪でしたが、所々シュルンドが空いており踏み抜きに要注意!
しかも2000mラインを越えるとばったりとスピードも落ち、さすがに標高差2000mの登攀を感じずにはいられない感じ。




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 重い足取りで何とか踏ん張り13:30白馬山頂へ。しかし山頂は物凄い強風。スキーを担いだ体は煽られ、歩くのもままならない状態。とてもスキーを付けることは出来ない。山頂から雪庇付近に近づくも風に吹っ飛ばされそうになり危険極まりなく、ドロップポイントもよく分からない。
20~30分付近をウロウロして、今回は2合雪渓を断念・・・。まあこの状況じゃしょうがないか。



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結局今回は大雪渓を滑降。久しぶりの大雪渓は結構長く、まあそれなりに楽しく滑ってきました。
しかも白馬荘から猿倉まで、途中白馬尻での休憩も含めて1時間!やっぱりスキーは早い!



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白馬尻から見上げた白馬山頂。稜線上のコルのように見える所から左下がりに続くルンゼが2合雪渓。ああ残念。また次回のお楽しみにとっておきますか。



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猿倉からは再び徒歩で二股まで下山。春の息吹もちらほら感じながら、次回の構想など夢を咲かせながらの楽しい道のりでした。
行動時間13時間。標高差2000m。結構大変でしたが、何とかやり遂げてきました。しかしかなり疲れた・・・。





ちょっと足慣らし

2014-04-14 16:22:50 | プライベート山行記録
いよいよ山も春めいてまいりました。ああ、僕の冬はどこに・・・・
それなら春は春で楽しみましょう!ということでこの週末はスキーを担いで五龍の遠見尾根へ。
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今回は、雪洞泊希望のカミさんともコラボ。初日は。中遠見から一度シラタケ沢へ300mほど滑降。厚い氷板の上に乗った雪は快適なザラメと化しており、思いっきり滑れました。そのあとの遠見尾根までの登り返しは大変でしたが・・・・



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さてさてこの日は大遠見の少し先で雪洞設営。結構いいものが掘れました。



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翌日はゆっくり目のスタートで白岳まで。ここからスキー滑降開始。少しまだ硬い斜面でしたがまずまず。
後はひたすら遠見尾根をトラバースにスキーを担いでの登り返しで小遠見へ。
そして今回のフィナーレは村尾根。一ノ背髪の一本上の尾根よりドロップ。硬いバーンにスキーをガリガリいわせながらの滑降。たまらず左へ左へトラーバースし、少し柔らかめの雪が残るシュートを見つけてドロップ。ジャンプターンの繰り返しでしたが、何とかしたの沢まで滑降。ここから右の一ノ背髪へ乗り上がり、あとは1332m大地目指して快適なツリーラン。
最後平川の渡渉で池ポチャならぬ川ポチャにはまりましたが、上部は初めてのラインを滑れたので大満足。プチ冒険的なスキーを楽しめました。








舌の根も乾かぬうちに・・・

2014-03-11 11:17:05 | プライベート山行記録
利尻から帰京し1週間も経たない3月8日。まだあの時の余韻が心身ともに残っている状態で、錫杖に行ってきました。
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 今回のパートナーはチーム84の澤田さん。澤田さんとはまだ彼がショップに努めていた頃からのつきあいで、いつか登りに行こうと約束をしたまま、叶わないでいたところでした、また私とは年が同じということもあり、お互い気心が知れた者同士という感じでの初めてのチームを組んでのクライミングでした。
 当初の目標は滝谷のC沢右股奥壁でしたが、天候等もろもろの事情が重なり、結局錫杖の注文の多い料理店に変更。前夜の7日夜に集合し、新穂高へ向かいました。
 8日は朝5時20分、中尾の駐車場を出発。先行パーティーのトレースを頼りに入山。トレースがバッチリだったので、2時間でクリヤの岩小屋へ。ここで身支度を整え注文の取り付きへ。天気は予報通り小雪のちらつく空模様から曇りへ。時折青空も見えてきたので、上々の天気。
 注文の取り付きまじかで先行パーティーに合流。ラッセル有難うございました。
 彼らの取り付きを待ち、私等は対岸の烏帽子岩基部で観覧。先行パーティーは1ピッチ目でかなり苦労している様子。この頃より雪も激しくなり、あちらこちらでチリ雪崩が舞い始めました。
 そのうち錫杖沢本流に大きな雪崩が発生。このままここにいるわけにもいかなくなり、注文をあきらめとりあえず安全地帯へ。
 結局時間も時間なので、P4のどこかお手軽なルートを探してトラバース。下から続々と上がってくるほかのパーティーと競いながらルート探し。しかしこの頃が降雪のピークで、ルートというルートにはチリ雪崩が頻発。ルート名も分からぬまま、ここと思しき草付の尾根に取り付きました。



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 1P目は澤田さんリードで凍った草付からリッジを乗越し、灌木でビレイ。2P目、右に行くか左に行くか、右は以前登ったことのあるチムニールートのような感じだったので、登ったことのない左の凹角へ。チムニー状の凹角をステミングとオフィズスを使って乗越し、テラスへ。ムーブもあってなかなか楽しい感じ。しかし核心はここからだった。簡単に見えた続く凹角は、実は傾斜も強く一部かぶり気味!クラックはあるのでカムが効き、プロテクションは取れるがかなり奮闘的なクライミング!途中、細かなスタンスにたてたアイゼンが外れ、アックス1本に足ブラ状態でぶら下がる羽目に・・・みるみる右腕がパンプし、たまらずカムにテンション・・・体感グレードはⅤ級A1といった感じ。わずか30mのピッチにかなり手こずらされました。




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 続く3P目もなかなか。澤田さんもかなり手こずっている様子。チョックストーンから始まる被り気味の凹角に体をねじ込ませ、オフィズスを決めようとするも、体がはじき出されそうになり、なかなか入れない様子。しかしさすが底力を発揮し、何とかこのセクションを突破!その上のフェースも無難にこなし、潅木帯のビレイポイントへ。下でビレイしている私もかなりしびれるピッチでした。
 ここで核心部は突破したものの時間切れ。2人とも奮闘的なルートにそれなりに満足し、懸垂下降に入りました。
 錫杖のP4侮るなかれ!目的のルートには取り付けなかったものの、この日もとても良い経験になりました!





結構ヤバかった

2014-01-30 23:39:43 | プライベート山行記録
 錫杖は結局1ルンゼを登ってきました。
 相棒は同じ山岳ガイドで、日プロの島田君。
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 富山の北村大先輩からは、1ルンゼだけはやめた方が良いよと言われてはいたのですが・・・
 クリヤ谷の笠が岳登山道から、錫杖岳が最初に見える峠から前衛壁を見たとき、やっぱり上部に雪田がたまっており、これが雪崩たらヤバいなという感じだったので、1ルンゼはだめだねと話していたんですけどね・・・
 しかししかし、どんどん前衛壁に近づくにつれ、1ルンゼはその圧倒的な存在感で僕らの目の前に立ちはだかってくるではありませんか!



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 クリヤ谷のアプローチは、渡渉ポイントからラッセルもきつくなり、思いのほか時間がかかってしましました。
 クリヤの岩小屋でテントを張り、身支度を整えたのは午後の1時。この日はトレースつけと壁の偵察ということで、取りあえず存在感ありありの1ルンゼへ。
 それはどんどん近づくにつれ、結構行けるんじゃないの?いくなら今でしょ!教科書通りの状況判断はどこへやら。1ピッチだけという約束で、味見程度で取り付いてみました。
 
 

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 雪で埋まった岩壁は、おそらく夏の2ピッチ目からの取り付きで、ルンゼに入った瞬間から、薄いベルグラと雪がついてグサグサになった氷?の連続。形状が凹角なので、オフィズスっぽく体をずりこませながら、薄い氷にアックスを突き刺し、這い上がり、30mでビレイポイントへ。
 これで火が付いたか、未練が付いたか、これ行ける!と思い込み、ロープをフィックス。この日は岩小屋へ戻りました。
 まあ、明日だめならロープを回収して注文に行こう。こんな乗りでした。



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 翌日はこれ以上ないいというくらいの晴天!上部からの雪崩を細心の注意を払い、ビレイポイントを考慮して行こう!ということで、昨日のフィックスをユマーリング。

 続く2ピッチ目は島ちゃんがリード


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 30m強でビレイ。緩傾斜帯の雪はかなり状態良感じ。これなら雪崩れないな。



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 よし1これならいける!!調子に乗ったのがいけなかったか、3ピッチ目、私のリード。1ルンゼ右ルートと別れ、本流へ。最初の垂直部分を乗越し、緩傾斜から再び水壁へ。ところが氷質は悪化の一途・・・中間ランナーのスクリューもどれも決まらず、ほとんどランナウト状態。しかもアンカーがとれるビレイポイントも見つからず、いわゆるハマった・・・感じ。よりによって垂直部分で必死で雪をかきわけ、グサグサの氷を削り、何とか硬い氷を出そうとするも、スクリューを打つと、半分も行かずスカッと手ごたえが無くなる始末。何とか3本決めて、ビレイ解除。でも「島ちゃん、絶対落ちないでねー????」
 よく見れば、下に隣の1ルンゼ左ルートのビレイポイントが!「島ちゃん、トラバースして隣のビレイポイントに行ける?」「何とかやってみます!」
 こんなやり取りの末、ビレイポイントを確保。使い果たしたギアを補充し、再び垂直のグサグサ氷へトライ。苦闘の末、何とか次のビレイポイントへ。「ウォー、ビレイ解除―!」雄叫びとも何ともつかないコール。
 次のピッチもこれまでの経験から、悪そうな感じ。しかも時間が時間だけに、日射がもろに氷に当たってさらに悪そう。
 結局左のミックスに逃げる羽目に。5ピッチ目、島ちゃんのリード。カンテの向こうに消えた彼の姿をうかがい知ることも出来ず、じりじりと伸びるロープにすべてを託すしかない。
 でももうここまで来ると、肝も据わったもんで、落ちたら落ちたで、どっかに止まるんじゃない。ダメならダメでお互い取り付きまっで吹っ飛ぶしかないか!
 ロープ半分と少し、30m強でビレイ解除のコール。フォローしていくと、これまた悪いミックス。島ちゃんよく行ったね!!
 さあ、いよいよルートも大詰め。6ピッチ目、私のリード。頭上にはまた悪そうな垂直のベルグラ・・・はじめ直上するものの、ランナーも取れず、ヤバい感じ。「右にハーケンあるよー」の島ちゃんの声に、右の方を見ると、確かにハーケンが。右にトラバースか?と取りあえずカムを1個決め、水平にハンドトラバース。1個所遠いところがあるものの、何とか右へ、キノコ雪を蹴散らしながら決死のトラバース。
 たどり着いたハーケンは、浮き浮きの浅打ち・・・これじゃテンションかけたら持たないな・・・しかしもう戻るすべもなく、浅い凹角に入り込み、これまたグサグサの氷雪を掻き落としながらやっと草付を見つけ、アックスを一振り。わずかにピックの先端がひっかり、微妙な感じでの立ち込み。
 しかしここまで来ると、既にアックスの先端には神経が通い、クランポンの先は足指の様。微妙なバランスを保ちながら、じりじりと体をずり挙げる、この連続。最後はオフィズス、アックス、フットジャムを駆使しての死闘。もう戻ることは出来ない。落ちるか登りきるかの二者択一。結果は吉とでて、死闘の末にはキノコ雪の上へ。あとは硬く締まった雪壁を右にトラバースし、再び1ルンゼ本流へ合流。7ピッチ目、最終ピッチを島ちゃんに託し、それなりに太く育った灌木でビレイ。時間は既に4時30分をまわっているではありませんか!
 最終ピッチは雪壁から短い氷の水壁を経て再び緩い雪壁へ。ここからよく見ると、そこここの灌木には大きなキノコ雪がべったりと張り付き、岩棚には巨大なブロックが・・・これらが落ちてこなくてよかったね・・・

 

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 すっかり日の落ちた夕暮れの中、同ルートを懸垂下降。一か所ロープがスタックするアクシデントにも見舞われながら、無事取り付きへ下降。
 僕らのそれなりに長い1日は、ようやく幕を下ろそうとしています。「島ちゃん、無事に降りられて良かったね・・・」取り付きでがばがば水分を補給し、チョコレートをむさぼりながら、しみじみと語りあいました。
 明けて翌日は、本当にこれで天気が悪くなるのか?と言いたいような天気でしたが、前日までの奮闘で体はよれよれ。1ルンゼ奮闘のさなかなくしてしまったギアもあり、今回はこれまで。運を使い果たしたといった感じで槍見まで下山してきまた。
 それはそれは充実した登攀でしたが、こんなこと続けてたらいつか捕まるよね。ちょっと反省・・・
 次回は確固たる理由と、ゆるぎない自信と、そして今回の熱い情熱で、完膚なきまでのクライミングをしたいですね。
 やれやれ。




晴れときどき心臓バクバクのちTHE DAY!

2013-02-01 00:43:44 | プライベート山行記録

今週の火曜日に小谷へBCスキーに出かけたばかりでしたが、その舌の根も乾かないうちに今日は八方のBCへ行ってきました!

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みんなこの晴天を待ちわびていたのか、今朝の八方池山荘前は黒山の人だかり。

我先にとシールを装着し、出発していきます。

我々はというと、またまた滝本さんを筆頭に、柴田君と加藤美紀ちゃん、そして私の4人。不帰Ⅱ峰からの滑降を目指す柴田君は、どんどん先に進んでいきます。残りの3人はお気楽ムードでマイペース登高。

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私たちの目指したのは唐松岳と不帰Ⅲ峰の間にあるDルンゼ。

ちょうど私の左、三本目のリッジのさらに左にある大きな沢状地形の谷です。

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唐松の山頂で気が付けば、我々が不帰滑降隊の中ではトップの位置に!!しかし今日は本当にいい天気。山頂からはちょっと太った剱岳と、その背後には富山の街並みから富山湾まできれいに見えました。

さてさて目指すDルンゼを上から見下ろすと、思ったより傾斜はなさそう。しかも現在のところノートラック!今日はきっとギタギタになった斜面を滑るのだとばかり思っていたので、ちょっとうれしくもありしかし不安でもあり・・・

ドロップ地点までの下降で、心臓はすでにバクバク状態でした!

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とりあえず雪質をチェックし、かなり安定している感じだったので一安心。しかもルンゼに一歩踏み出してみたらそこは極上のパウダーではありませんか!

スキーカットして雪崩れないのを確認し、一気にドロップ!思いのほか快適な斜面に大胆なターンでファーストトラックを刻ませていただきました!!(んー、ちょっと図に乗りすぎかな・・・)

でも雪質はサイコーのだったのは確か。天気と良いまさに今日はTHE DAYだったのです!!

以前砂時計を滑った(とりあえず下りただけ)時は、死に死にの状態で、楽しくもなんともなかったのですが、今日はまさに楽しい!の一言!!

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さすがに下に降りてくると、雪もかなりパックされて硬くなってきました。それでもエッジのバリバリ利いた斜面は快適そのもの。

二俣にたどり着くころにはすでに満腹で今日の大イベントを締めくくりました。

いやー、初めての不帰でこの天気と上質のパウダー。ますますやめられませんね!


昨日の出来事

2012-10-15 20:17:18 | プライベート山行記録

 実はこのところガイドの仕事があまりなく、ロープワーク等、ガイドのテクニックがさび付いてしまうかも・・・との懸念もあり、また妻がこのところの仕事のストレスがかなり溜まっていて、山に行ってうっぷんを晴らしたい!!!ということで、利害関係が見事に一致。そこでお互いの理想と今の季節ににぴったり合うということで、妙義山へ行ってきました。

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 ルートは表妙技縦走。通常は前夜に横川あたりの旅館に泊まって早朝集発という感じなのですが、当然仕事ではないので、妙義神社の道の駅で仮眠。しかし土曜日の夜は走り屋たちがたむろしていて、時折爆音をとどろかせながら疾走するので、うるさく、お勧めできませんね・・・。

 翌朝は寝不足で4時30分に起床。表妙義縦走は、入下山口が別々の場所なので帰りはタクシーなのですが、当然これもタクシー代をケチり、金鶏橋近くの駐車スペースまで車を回し、再度妙義神社へ戻って入山。

 妙義神社からの登山道は、台風の影響で本殿が工事中のため、通常のコースは通行止め。これは入山禁止か??とも思いましたが、なんとか大の字まで無事に行けたので、そのまま続行。

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 奥ノ院からロープを付け、いざ登攀開始??今回はロープワークの練習も兼ねての山行なので、ところどころやり直し?などしながらゆっくりと進みました。妻もハイペースではないので、割と楽について来れる様子。

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 岩のセクションでは、高さと必要なロープの長さなどを目算し、必要なロープを繰り出すなど、これまでのガイド中に行ってきたことを一つ一つ確認しながら行動。また常にクライアント役の妻を振り返り、挙動??を確認することも繰り返し行いました。

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 妻は妻で、高度感のあるクサリ場や岩の部分を楽しんでいる様子。鷹戻しから東岳、そして中野岳はクサリ場の連続。垂直のアップダウンもあり、かなりスリリングで面白かったようです。

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 午後4時にはニコニコ顔で金鶏橋の駐車場に無事下山。その後は妙義神社近くのもみじの湯でゆっくり温泉。二人とも妙義山で、か・な・り・実り多い1日を過ごしました。


とうとう沢デビュー??

2012-08-06 12:02:20 | プライベート山行記録

 猛暑続きのこの週末、ガイドの仕事も入っていなかったので、沢登りに行ってきました。

 沢登り?この俺が??大の水嫌いのはずが・・・

 どうした風の吹き回しかといえば、登山研修所の仕事の帰り、同じ講師仲間から、ナルミズ沢の山行話を聞き、それはそれは楽しかったというので、それならばと思ったのが始まり。

 またこの広い山の中で、尾根や壁ばかり行っていたのではなんか片手落ちのような、大きな大きな山の素晴らしさを丸ごと感じられないと思ったからで、まあそんなこんなで重い腰を上げたのでした。

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 とりあえず沢靴と渓流スパッツなど、必要な装備を急遽誂え、いざナルミズ沢へ!

 今回は宝川温泉からではなく、土合から東黒沢経由でウツボギ沢を下り、ナルミズ沢へ入るという計画。メンバーは、妻のちかちゃんとそのお友達の3人パーティー。

 白毛門の駐車場で沢支度をしているときは、ちょっとこっっぱずかしい感じで装備を身に着けました。

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午前6時45分に白毛門の駐車場から東黒沢へ入渓。この沢は、白毛門沢の出会あたりから綺麗なナメが続き、とても気持ちの良い沢でした。

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 またところどころ現れる5mほどの小滝が、ボルダー感覚で登攀にアクセントをつけて、楽しく登れました。

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 ほどなく東黒沢を抜け、ウツボギ沢の支流を難なく下り、正午には宝川本流との出会にある広河原へ。ここは文字通り広い河原で良いテン場でしたが、時間が時間なので明日の行動時間も考え、さらに先へ進むことに。

 宝川の本流沿いには登山道もあるのですが、我々はあくまで沢!先ほどとはまるで水量の違う宝川本流を、時には腰まで(ちかちゃんはナゼか胸まで没してましたが・・・)つかりながら大石沢の出会まで遡行。特に難しいところもなく、大きな釜を眺めながら右岸左岸と大きくへつり、これはまたタイプの異なる沢という感じで、楽しく遡行しました。

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 大石沢出合のテン場ではたき火を囲み、持参したベーコンをあぶってちびりちびりとご賞味!とてもいい雰囲気で1夜を過ごすことができました。

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 翌日も朝7時に遡行開始。宝川本流はこの先ナルミズ沢と名前を変え、豊富な水量ときれいなナメ、そして大きな釜をいくつもかかえており、ところどころ腰までつかりながらのへつりが連続しました。

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 やがて魚止めの滝10mを越えると、上部には地蔵の頭直下に広がる大スラブがひろがり、その先に広がる沢の遡行にも期待が高まります。

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 その後も大小さまざまな形の綺麗な滝を越え、大きな釜をへつり、やがて沢を二分する二俣へ順調に到達。僕らは本流とされる右俣へ入りました。

 ここからは水量もぐっとへり、深い戸井状を抜け、小滝をいくつか越えるとやがて奥の二俣。今回は沢を抜けてからの稜線縦走も考慮し、左俣から稜線を目指しました。

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 最後はきれいな草原を抜け、大烏帽子とJ・Pの間にある稜線へ。

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 あとはひたすら踏み跡の付いた笹の藪をたどって朝日岳へ。そして笠ガ岳、白毛門と縦走し、午後6時に白毛門の駐車場へ下山しました。(ちかちゃんはヨレヨレ)

まあ気嫌いしていた沢登りの割には、いろいろと実験、検証もできたし、トレーニングもできたし、冬の下見(スキー)もできたし楽しい山行でしたね。へへ。