杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2017-9-23~25 北穂東稜~大キレット

2017-09-25 19:21:49 | ガイド山行記録

いよいよ秋も深まりつつある穂高。今回は北穂の東稜から大キレットを縦走してきました。

おりしも天候が安定してきたせいか、今週末の涸沢は大賑わい。布団1枚に3人!との話もありましたが、実際はそこまでにはならず、でもこみこみのヒュッテでした。

 

翌日は朝4時30分スタート。すでに夜が明け始めた中から沢を出発。

 

北穂沢を登山道沿いにアプローチし、南稜のクサリが始まるところから北穂沢のガレ場を横断。そのまま東稜へ取り付きますが、最後のガレの登りは案外悪かった・・・。

 

東稜の稜線上に出てからは、巻道は行かず忠実に稜線をたどりました。穂高の山々に囲まれた素晴らしいロケーションの中、岩稜、ナイフリッジの連続する変化に富んだ東稜を楽しめました。

核心のピッチも難なくクリア―!!

北穂の小屋で大休止ののち、本日2つ目の課題、大キレットへ。

クサリもあまりない高度感満点の岩稜を慎重に下っていきます!

 

さすがに飛騨なきからしばらくはアンザイレンしてさらに慎重に通過。

バックには滝谷の圧倒的な岩壁が!

 

最低コルからはやさしい稜線歩きが続きます。振り返れば辿ってきた大キレットが。

そして南岳の獅子鼻へ突き上げるハシゴを登れば小屋はまじか。

 

さらにこの日は夕日が最高にきれいでした!稜線の南岳小屋最高!!

 

最終日は昨日の余韻に浸りながらのこれまた素晴らしいロケーションに囲まれての下山。槍沢は先週までとは打って変わり、少し紅葉が色づき始めていました。

もう冬の気配さえ感じる中での優雅な下山となりました。このところ天気にはめっぽう恵まれた山行ばかり。これだから山はやめられなくなりますよね。


2017-9-13~15 北鎌尾根

2017-09-22 11:30:50 | ガイド山行記録

台風18号が過ぎ去った翌日から、3年越しの計画であった北鎌尾根、やっと行くことが出来ました!一昨年、去年と悪天候やら何やらでのびのびになっていましたが、念願の山行がかないました!!

 

12日はあいにくの天気だったので、入山を1日遅らし13日に中房温泉から入山。まだ靄のかかる合戦尾根を登っていきました。

 

およそ3時間ちょっとで燕山荘。稜線はまだ風がありましたが目の前には念願の北鎌尾根や反対側には遠く剱、立山まで望むことが。

 

燕山荘からは表銀座を縦走し大天井ヒュッテへ。牛首の展望台からはいよいよ近くなった北鎌尾根が!明日の天気も約束された感じです!!

夜7時には布団に入り明日に備えました。

 

さあ明けて14日は満点の星空の下、大天井ヒュッテを出発。心なしか歩きやすくなった貧乏沢を下っていきます。

 

北鎌沢の出合で使用前の記念撮影!きっと槍の方に着くころにはヨレヨレ。

 

やっとの思いで北鎌のコルへ。でもまだ元気!ここからはロープを付けての登攀開始。

 

コルからひと登りで2749mのP9。トラバースの多いルートを慎重に通過して行きます。

 

P10にあたる独標を越えるといよいよ槍の穂先が目の前に。この先もまだまだ険しい稜線が続きます。

 

ここから先、ルートも判然としない個所があり慎重にルートを読んだり緊張するトラバースを越えたり、一度千丈沢沢側へ下ってからのガレ場の登り返しと、なかなかのセクションが連続。

 

それでも何とか北鎌平までたどり着き、いよいよ最後の穂先の登り。西からの冷たい風に叩かれながら一部2~3級の岩場をスタカットで登っていきます。

 

やはり時間はかかりましたが無事に槍の穂先へ。苦労を重ねて辿り着いた先での360度の大パノラマはまた格別。この日は飛騨側の雲海がまた最高にきれいでした。

15日の朝もまだ好天は続き、一仕事終えた喜びと安ど感に包まれながら槍沢を降りて来たのでした。

 

 

 


2017-9-8~9 前穂北尾根

2017-09-11 09:34:18 | ガイド山行記録

ヨーロッパから帰っての第一弾は穂高を代表する名クラッシク、前穂北尾根。毎年一度は登る定番のルートです!

8日は上高地から横尾を経由し涸沢まで。翌9日は4時に涸沢を出発。この日は月明かりが頼もしく、ヘットランプの灯りとともに5.6のコルを目指して登ってきます。

やがて夜が明け、穂高の山々が紅に染まっていきます。1日のうちでとても気持ちのいい瞬間です。

5.6のコルで身支度を整えいざ北尾根へ取り付き!

5峰、4峰と順調に超え、いよいよ核心の3峰へ。

3峰の出だしは2~3級の岩登り。スタカットに切り替えて慎重に高度を稼ぎます。

リッジ、フェース、ルンゼと変化に富んだ登攀。最後は少し被り気味のフェースを越え、3峰を突破。

3時間ちょっとの登攀で前穂の山頂へ。背景には西穂からジャンダルムを経て奥穂へと続く長い稜線。また一つ課題をクリヤー出来ました。

さあ、次はどこを目指しますか!