ようやく天気も落ち着いてきた今日この頃、剱岳へ行ってきました。
少し前の週間予報では、土曜日から日曜日にかけて天気が崩れそうな気配を感じさせていましたが、今回のお客さんは向かうところ敵なし!の晴れ女!!今回もアタック予定の土曜日が直前になり好転。幸先よく御前の小屋へ入ることができました。
また入山初日の17日は、結構きれいな夕日を拝むこともできました。明日の行動にも期待が膨らみました!
さてさて明けて18日は、この日の登頂を約束してくれているかのような、穏やかでいい天気。
4時40分に御前の小屋を出発。剣沢を快適に下って行きました。
今は閉まっている剣山荘からは、一服剱へ向けての急登。ここからロープを付けての登高となります。
難なく一服剱を越えた後は、本日の難所の一つ、前剱大岩の急雪壁が眼前に立ちはだかっています。
しかしまだ時間も早いこともあり、適度に固く締まった雪面はアイゼンが良く効き、サクサクと登ることができました。でもふくらはぎやアキレス腱はパンパン・・・
その後も小さいアップダウンを繰り返し、平蔵の頭も稜線上から通過。ところどころシュルンドが空きはじめ、踏抜く場面もありましたが、なかなかいいペースで平蔵のコルへ。いよいよ本日の核心第二弾。カニのタテバイへとやってきました。
さすがにここは傾斜も強く、クサリの連続なのでスタッカットに切り替え、2ピッチで通過。アイゼンの前爪を小さなスタンスに乗せる場面もあり、なかなか緊張感のある楽しいピッチでした。
後は傾斜のゆるくなった雪面をひと登り(ふた登りかな・・・)で剱岳山頂。さすがに今年はまだ山頂の祠も雪の下。もうこれ以上高いところのないこの場所で、しばし360度の大展望を堪能しました。しかもこの日は土曜日だというのに剱岳山頂は貸切!
しばし山頂を我々だけで楽しんだ後は、登り以上に厳しい下りが待ち構えています。
すっかり雪が消え、クサリも梯子も夏道通りのカニのヨコバイをスタッカットで慎重に下降。
さらに平蔵のスラブや前剱のトラバースも無事通過。
そしていよいよ本日の最難関、前剱大岩の下りへとさしかかりました。時間も正午を過ぎ、気温も上昇してきたので雪もグサグサ??かと思いきや、今年の前剱大岩はかなり雪質がしっかりとしており、バックステップでの下降でしたが、ステップがざらざらと崩れることもなく、おおむね安定して下る事が出来ました。
あとは一服剱を登り返し剣山荘へ。ここでロープをはずし、ひたすら御前の小屋へ向け長い長い登り。途中本日越えてきた剱岳を何度も振り返っては仰ぎ、満足感に浸りながらの登り返しでした。
そして午後3時少し前。御前の小屋へ帰着。少し時間はかかりましたが、この日神様に許された時間をフルに活用し、残雪の剱岳を丸ごと楽しんできた1日でした。