雨の多い天気でしたが、これもまた山。今年もいい研修が出来ました。
先日無事に登山研、大学生春山研修会を終えて帰ってまいりました。
今回私はなんとスキー班を担当することを仰せつかり、まったくもって身に余る光栄。歴代講師の中で、間違いなくスキー滑走技術ワーストワン(というより論の外・・・・)のこの私が・・・誰がその当時このような光景を想像できたでしょうか??努力の甲斐がありました・・・(このことは学生にも伝えよう!努力は報われる!!人は変われる!!!)
さてさて何はともあれ、話を続けましょう。今回のスキー班は、男の中の男、佐伯岩雄先生のもと、日本を代表するような優秀な大学から集まった子たち(でもスキーを履くとまるで迷える子羊たち・・・)と、テールガイド的な私(まるで迷える子羊を追い立てる牧羊犬のよう・・・)の総勢7人。
快晴の室堂を出発し、真砂の大走りを登り、内蔵助カールから内蔵助平へ至る大斜面を滑降。
これが今回滑ってきた内蔵助の大斜面!んー、ちょっと彼らには急すぎたかな・・・
この日は平でテン泊し、翌日ハシゴ谷経由で剣沢へ。
ここで一度荷物をデポし、二俣~北俣谷をさかのぼり、池の平山へ。山頂は時間切れで立つことはかないませんでしたが、それでも山頂直下にひろがる大斜面は大いに堪能することができました!
この日はデポを回収後、真砂沢ロッジ(当然小屋はまだ深い雪の下)でテント泊。
3日目はいよいよ今回のハイライト。長次郎谷をつめ、剱岳本峰へ。
全装を担いでの登高だったので、研修生たちはさぞかし大変だったことでしょう。でもそこはさすがに20代。山頂では今までの疲れも吹っ飛んだかのように、満面の笑みをたたえておりました!
しかしここからが地獄・・・
さすがに重い荷物とスキーを担ぎ、さらには硬いブーツでの下降は一苦労。カニのタテバイ付近の急な雪壁ではスキーをはかせるわけにもいかず、軽快に滑降する岩雄先生の後ろでひたすらバックステップ。
ようやくたどり着いた平蔵谷も、すでに消耗しきった彼らの脚力では満足に滑ることもできず、転んでは立ち上がり、また転んでは立ち上がりの連続。その光景はまるでかつての私そのもの・・・尻制動でタッタカ下りていく本部の先生方にも追いつけず、なんと機動力1番のスキー班が下山最後尾に・・・今回の計画、彼らにはちとハードルが高すぎましたか・・・
しかし若さというものは素晴らしいもので、そんな地獄も乗り切り、ほかの研修生の待つ剱沢の前進基地へ。
本当によく頑張りました!!
翌最終日は剱御前からカラ荷でひと滑りし、雷鳥沢へ。お決まりの搬送訓練をしながら室堂へ下山しました。
3泊4日の短い山行でしたが、彼らには大きな大きなインパクトのある山行だったに違いありません。
あの行程を乗り越えてきたのですから、きっと今後さまざまな場面での活動に役立つことでしょう!!
今年の夏本番も、山場を越えました。昨日無事に登山研修所大学生リーダー研修会(夏山)が終了しました。
今年は入山中天気があまりぱっとせず、午後には決まってにわか雨にやられるといった感じ。今研修会のメインイベント、Ⅵ峰Cフェース剣稜会ルートを学生主体で登りきることができず、3ピッチ目で下降となりましたが、まあそれはそれで彼らにはとてもいい経験になったと思います。
私自身も春山の研修会のときに、ダメダメだった研修生を再び受持ち、彼らが今回はひたむきに研修に取り組み、成長した姿を見ることができ、とてもうれしいものでした。確かに彼らはまだまだ手際も悪く、動作ものろいのですが、そしてそんな愛すべきおバカちゃんたちと過ごしたこの1週間は、とても有意義であり楽しいものでした。
きっとこれからも成長し続けていくことでしょう。
野郎ちゃんたちのこれからに乾杯!