今年もGWの季節がやってまいりました。今季GWの第一弾は剣岳・別山尾根。
例によてスタートは室堂ターミナル。つい先日の合同研修のときもそうでしたが、今年の室堂は中国、もしかして台湾?、そして韓国からの旅行者でにぎわいをみせ、アルペンルートも混雑気味・・・
そんな室堂を後にして一路別山乗越へ。今年は例年と比べ雪は少な目か??その分あまりズボズボもぐらないので、歩きやすいには歩きやすかったですが・・・
別山乗越から見る剣岳は、いつみてもかっこ良いですね!まさしく岩と雪の殿堂!この2日間は天気も上場のようなので、明日の登攀にも期待が高まりました。
明けて29日は期待通りの天気。今回は1泊2日の強行軍なので、午前3時に起床し4時過ぎに剣御前の小屋を出発。満点の星空の下、剣岳山頂を目指してまずは剣沢を下降していきました。
気温はさほど冷え込んではいませんでしたが、雪面は適度にクラストしており、アイゼンはサクサクと食い込み快適に剣山荘に到着。
ここでロープを着け登攀開始。これまたクラストした斜面をサクサクと一服剣へ登って行きました。
目の前には前剣大岩の急雪壁が立ちはだかっています。上部は恐らく45度以上。まさしく壁のよう!気合を入れてここから始まる剣岳の核心部に突入していきました。
しかしここも早い時間帯に通過できたので、足を取られることなく快適に登りきることが出来ました。
前剣のピークからは、 剣岳山頂が手の届きそうなくらい近くに鎮座ましまし。この後も固い斜面のトラバースや鎖場の通過など、次々に難所が現れるので、気が抜けません。
そしていよいよ登りの核心部、頂上直下の岩壁帯へ。この時期は登りもくだりもヨコバイ経由が主流だそうですが、今年は雪がすっかり落ちてクサリもしっかりと出ていたのでカニのタテバイへ。
さすがにここはスタカットに切り替えてしっかりとビレイを取りながら登り切りました。
あとは傾斜の落ちたゆるい雪壁を慎重にたどって剣岳の山頂へ。
たどり着いた剣岳山頂は、少しだけ雪のリッジになっており、頂上の祠もわずかに屋根が出ている程度。登山者も先に早月方面から上がってきた2名いるだけで、今日はほぼ独占状態。しばらくの間360度の大パノラマを我々だけで楽しむことができました。
さて名残は尽きないところですが、いつまでもこうしてはいられません。なにせ我々は今日中に室堂まで下山すのですから・・・・
元来た別山尾根を忠実に下り、カニのヨコバイや下降路中最大の難所、前剣大岩の雪壁も無難に下りきり、
あとはひたすら室堂目指して下るのみ、しかし剣沢の長い長いのぼり返しや別山乗越からのくだりと、山のスケールを痛いほど感じながらの下山となりました。
今回はまた天気と良い、ロケーションと良い、そしてスケールと良い、剣岳の醍醐味まさに「試練と憧れ」を肌で感じながらの山行でした!