台風16号は温帯低気圧に変わったようですが、その16号がまさに近づこうとしていた23日~24日で、北穂の東稜へ行ってきました。
23日、日本列島は高気圧に覆われとても穏やかな天気。上高地も今季久々といえるほどの良い天気で、穂高の山々もきれいに見えてました。また空気も冷たく澄んでおり、まさに秋晴れの中の入山でした。
涸沢の紅葉も色づき始め、秋の装いを始めた感じ。目指す北穂の東もきれいに望むことが出来ました。
あとは気がかりなのが天気。台風の影響はどの程度か?午前中だけでももってくれるのか?そんなやきもきした気持ちの中で就寝しました。
あけて24日は、満天とはいかないまでもオリオン座もまたたく程度の晴れ模様。これは台風の影響はないか!?
4時に起床し、涸沢ヒュッテを5時に出発。予報とは裏腹の良い天気の中、 期待に胸を膨らませながらのアプローチでした。
北穂へ向かう途中で見たモルゲンロートもきれいでした。
南稜の鎖場へ向かう道との分岐あたりで小休止。ハーネスをつけ身支度を整えます。
南稜の鎖場へ向かう道と分かれ、ここからはガレ場をトラバースして東稜へ。
ここは大きな岩も不安定にゴロゴロと動くので要注意!
ガレ場の急登をひと登りで東稜の上へ。向かいには前穂の北尾根が圧倒的な存在感でたたずんでいます。そして頭上にはこれからたどる東稜と、その先には 北穂の山頂がすぐ近くに望めます。
ここからはしっかりとロープもつけ、確保しながらの登攀。ところどころ3級程度の岩場もあり、緊張感もあってとても楽しい!
いくつかの小ピナクルを越え、いよいよ核心部の岩場へ到着。眼下には涸沢の大カールが広大なスケールで広がっています。
岩稜を一段下り、いよいよ登攀開始。ホールド、スタンスともに豊富なので、ぐいぐいと登りました!
さらに進むと岩稜はいよいよ細くなり、ナイフリッジの通過はスリル満点!!
最後のクライムダウンも慎重にこなし、東稜の核心部は無事通過!
あとはひたすら北穂をめざし、ガレた岩稜を登りつめていきました。
最後はガレ場のトラバースを 繰り返し、大キレットからの縦走路に合流。
縦走路も無難にこなして北穂の小屋に到着。休憩の前にまずは山頂へ!
10時少し前に北穂の山頂へ到着。岩稜、岩場、ナイフリッジと、変化に富んだ東稜を、悪天間近のスキをつき紙一重でこなすことが出来ました。山の神様に感謝!!
次の目標は、後ろにそびえる前穂の北尾根でしょうか?
9月の第一弾はジャンダルム縦走。およそ1週間前に行ってますが、その時は奥穂から西穂への縦走。今回は西穂から奥穂への縦走でした。
入山は9月6日。相変わらず天気は微妙で、直前に予報がころころと変わるので、不安を抱えながらの入山。しかし直前の予報では朝方は雨が残るが天気は時間が経つにつれ回復傾向ということで、朝はいつもより遅めの出発としました。
7日はやはり朝は小雨の残る中起床。小屋を出る5時20分には雨も上がり、予報を信じて出発。あたりはまだ濃いガスに包まれていました。
独標、西穂と越えていくうちに徐々に空に明るさが。8時30分を過ぎたころからは、ガスも切れ始めてきました。
さらに天気は回復し、間ノ岳、天狗の頭と越えて行く頃には晴れ間も広がってきました。
朝方まだ濡れていた岩もすっかり乾き、フリクションもばっちり。しかしこのところの長雨のせいか大きな岩も不安定な感じで乗っかっているところもあるので、気は抜けません。
コブの頭からはいよいよ核心部に突入。ジャンダルム、ロバの耳とロープで確保しながら慎重に通過。
最後の難関、馬の背も難なく通過。背後にはこれまで越えてきた峰々が雲の切れ間からわずかに望めました。
奥穂の山頂で記念撮影の順番待ちをしたのち、下山。穂高岳山荘にはごご3時30分ごろに到着。充実感のある1日でした。
またこの日の夕方はきれいな夕暮れと、それに続く満月に近い夜の光景がとてもきれいでした。