杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

Level1最終日

2012-01-29 10:15:39 | ブログ
Level1最終日
今日でLevel1の講習も終わります。文字通り長いようで短い8日間でした。
毎日6時に起き、まずは定点での気象観測に始まり、積雪の安定性予測を行ってからフィールドにでていき、ピットを掘って積雪の観測をし、夕方帰ってから積雪の安定性評価をするといった生活でした。  気がつくと明日の行動やこれからの積雪安定性について、この期間に学んだ事柄に基づいて理論的に議論出来る自分たちがいました!
まだ細かい観測の仕方や安定性の評価など、経験を積んで行かなければなりませんが、雪崩に関しては自分の中に基準とこれからのスキルアップについて、方向性を確立出来たと思います。とてもとても有意義な8日だったと思います。
講師の皆さん本当に有り難うございました。
ちなみに明日からは北海道でガイドの研修会。今日は白馬から東京を通り越し、そのまま札幌入りです!


今日は懇親会

2012-01-26 22:46:04 | ブログ
今日は懇親会
JANのLevel1も中日を過ぎ、毎日充実した講習を楽しく受けてます! 今日は講師、受講生お互いに親睦をはかるということで、飲み会です。 シリアスな話あり、有意義な話題あり、笑いありと楽しい時間を過ごしてます。ちなみに明日は大渚山。これまた楽しみです。


JAGUアイスイベント

2012-01-21 23:38:35 | ブログ
JAGUアイスイベント
今日はJAGUのアイスイベントが、川上村の岩根山荘で行われました。 このアイスイベントは今年で2回目。今年は早くから応募があり、おかげさまで大盛況。明日も一日行われます。 今頃は(土曜の深夜11時30分)大盛り上がりの懇親会も終わり、みなさんご就寝なさっているころでしょうか? 私はというと、明日からのJAN主催の雪崩講習会、Level1に参加するため、イベント1日目が終了後白馬に転進してきたところです。ちかれたび。


来期冬物展示会

2012-01-19 22:44:07 | ブログ
来期冬物展示会
来期冬物展示会
昨日までの雪山から一転、今日は東京の汐留でマウンテンハードウェアの来期冬物展示会に行ってきました。
内容的には今期のモデルが、カラーなどマイナーチェンジする感じであまり変化はありませんでしたが、その中でもイチ押しは、グローブですね。
来期は現行のアウトドライに加え、Qシールドという機能を付け加えたグローブがでます。
これはシェルを作る繊維に撥水性のナノ粒子を特殊なプロセスで融合させるというもので、撥水性は抜群。またどの様な素材にも融合可能なので、ナイロンシェル、皮など何にでも加工できるということです。
会場ではティッシュペーパーにQシールドを施したものがデモ用に置いてありましたが、水槽の中に沈めても全く吸水せずドライなままでした。これは冬ならグローブが濡れて凍ることが無いということ。
来期のMHWグローブは注目かも!


白馬でスキー

2012-01-18 15:50:48 | ブログ

白馬でスキー
昨日今日は、今週末から始まるJANのlevel1を前に、スキーで恥をかかないよう富山の佐伯岩雄大先生の指導の元、特訓?してきました! 特に今日は同じガイド仲間の黒田さんや、ガイド受験中の天野君、そしてJANの講師をしておられる林智加子先生と一緒に、八方の無名沢からガラガラ沢、そしてさらに右下の沢と三本継続。北面に面した斜面にはまだまだパウダーが残っていて、サイコーのスキーを楽しんできました! 最後は太ももパンパンでしたがもう大満足! 素晴らしい先生方のおかげで、充実した2日間をすごすことができました。


2012.1.10~11 岩根山荘アイスクライミング

2012-01-12 13:36:25 | ガイド山行記録

 成人の日の連休も終わりようやく正月もひと段落といったところでしょうか。

 連休明けの一昨日昨日と、今期初のアイスクライミングに行ってきました。場所は岩根山荘のアイスツリー。

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 東京はクリスマス寒波以来かなり寒い日が続いていたので、さぞかしここもいい氷ができているかと思いきや、以外にも川上村は暖冬だとのこと。氷はどの面にもばっちりと付いていて登るには問題ないのですが、氷の発達が暖冬の影響で予想より未熟なため傾斜は少し急な感じ。

 アップはそれでもゆるいところを選んだのですが、みなさんかなり面食らった様子・・・

 ということで休憩を入れながらのんびりとクライミング。また途中動画も撮影し、アックスの打ち込みやアイゼンの蹴り込み、ムーブなども確認しながらとても内容の濃いクライミングをしました。

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 その甲斐あってか繰り返し登っているうちに体も慣れてきたようで、この日の最後には進歩の跡が見られました。

 翌日は湯川に行く予定でしたが、なにやら林道が落氷や倒木で通行止めになっているとのこと。結局この日も岩根山荘でお世話になることに・・・

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 前日の講習もふまえ、今日は繰り返し体の動かしかたをみっちりと練習。最後はみなさんかなりよれよれでしたが、昨シーズンまでの調子を取り戻した感じ。なかなかいいトレーニングでした。

 今回は2日間とも岩根山荘の人工アイスゲレンデでの練習となりましたが、シーズン初めの足慣らしや繰り返しムーブを練習するにはとってもいい感じですね!

 次回は自然の氷にチャレンジしましょう!!


2012.1.8~9 yamaboku タコチコース

2012-01-09 22:57:26 | ガイド山行記録

 成人の日の連休は、志賀高原の奥山田温泉にあるヤマボクワイルドスノーパークへ行ってきました。

 もちろんお目当ては、クラシカルな山スキールートのタコチコースです。今年は1月7日から解禁とのことで、それに合わせてのスキーでした。

 初日の8日はヤマボクワイルドスノーパークで足慣らし。直前には全面滑走可とのことだったので、非圧雪バーンのふかふか感を期待していたのですが、積雪85cmにしては少し雪が少なく、ところどころブッシュが顔をのぞかせている状態。また前日の7日にかなりシュプールがつけられてしまいゲレンデはギタギタ。それでも吹き溜まりにはまずまずのコンディションの雪が残っており、そこそこ楽しむことができました。

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 明けて9日は朝がた少々小雪がちらつきましたが、予報とは裏腹に徐々に青空が顔をのぞかせてくるではありませんか!ゲレンデで3本アップした後、さっそくタコチコースへ。

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 コース入口からオープンバーンを、まだ荒らされていないところを選び滑降開始。前日のシュプールに入ると足を取られそうになりますが、北向き斜面はまだまだオフピステ感覚満載!標高差100mほどを快適に滑りました。

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 そのあとは、林道のつづら折れにつけられたショートカットの切り開きを快適に滑降。

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 天気も高度を下げるにつれて徐々に良くなり、木漏れ日の中を動画の撮影などしながらのんびり快適に下りてきました。

 コース残り4キロ地点には、避難小屋も整備されておりここで一休み。

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 最後は蒲田川に沿って林道を滑り降り、橋を渡ったところでスキーは終了。あとは10分程山田温泉キッズパークスキー場への上り坂を上がってツアー終了。

 さんさんと日の光が降り注ぐ中、志賀高原のBCスキーを満喫してきました。


2012.1.1~3 槍ヶ岳

2012-01-04 13:13:35 | ガイド山行記録

 2012年も無事に年が明けました。みなさん今年の正月はいかがお過ごしでしょうか?

 さて私は1月1日~3日にかけ、お客さん2人と北アルプスは槍ヶ岳に正月山行へ行ってきました。

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1月1日

 まずは新保高温泉のバスターミナルで登山計画書を提出し、元気よく蒲田の右俣林道をたどって槍平へ。道は年末からの登山者のおかげで弾丸道路状態。感謝感謝です。

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 またこの日は槍から下山してくるパーティーに続々すれ違い。中には当然見知った顔もちらほら。同じJAGUの山本ガイドからは槍への道の状態など、貴重な情報を教えていただくこともできました。さらにはピオレドール受賞クライマーの谷口けいちゃんにも!これにはお客さんたちも大喜びでした。

 槍平到着午後1時。なかなかいいペースでのアプローチでした。

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1月2日

 よく1月2日は、前夜からの低気圧通過の影響が少し残り、小雪のちらつくあいにくの天気。しかし予報では徐々に晴れ間が出てくるはずと、明るくなった午前7時30分に槍平を出発。上空の風が気になるところですが、果たして今日は無事に槍ヶ岳へ登頂出来るでしょうか!

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 飛騨沢を詰めるにつれ上空にも晴れ間がちらほら現れ、しかし風は以前にもまして勢いを強め、期待と不安が入り混じった状態でのアプローチ。雪崩に警戒しながら先人のつけてくれたトレースを頼りに高度を上げていきました。

 しかし槍ヶ岳が見え始めたあたりから状況は一変。前日からのわずかな降雪とかなりの強風で、トレースが埋っている個所も・・・足裏感覚を頼りにトレースを外さないように進んでいきました。

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 しかし宝の木を過ぎると積雪はさらに増し、とうとうラッセルを強いられながらのアプローチに。風もいよいよ強さを増し、視界を遮られることもしばしば。槍ヶ岳に至っては上空の強風と寒気の影響で、厚い雲覆われ垣間見ることもままならない状態でした。

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 2600m付近で念のためにアンザイレン。強風に耐えながらじりじりと高度を稼ぎました。

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 12時40分何とか大喰岳に到着。3000mの稜線は強風と次から次へと押し寄せてくる雲で、視界はあまりありません。コンパスと地図を頼りに槍の方角を確かめますが、飛騨乗越への下りは行ったら最後、ここには引き返すことなど不可能な感じに思えてきました。昨夜からの降雪と風の影響を考えるとよしんば飛騨乗越までたどり着けても、飛騨沢を下る気にもなれず・・・

 遠くには槍の肩の小屋、そしてわずかに槍の穂先が垣間見えましたが、今回はここまで。残念ではありますが、元来た大喰の西尾根を下ることにしました。

 しかしここは3000mの稜線。一つの思い込みが生死を分けると思い、しっかりと地図、コンパスで方角を確かめ、大喰の西尾根へ入っていきました。

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 下り始めた西尾根も、先ほど付けてきたトレースもすっかり消えてなくなり、強風の合間からわずかに見える尾根筋とコンパスを頼りにじりじり下降。宝の木まで戻ってきてホット一息。何とか無事に下山してきました。あとは雪崩に気を付けて飛騨沢をラッセルしながら槍平を目指しました。途中めでたくおおきなトレースに遭遇。槍平帰幕午後4時30分。やれやれといった感じで大変な1日を終えました。

 ちなみに最近は数年前の槍平の雪崩事故の影響か、飛騨沢を詰めてのアプローチよりは中崎尾根を経由してのコースが人気で、この日も中崎尾根経由飛騨乗越~槍ヶ岳に登ったパーティーが、大勢飛騨沢を下ってきていました。

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1月3日

 この日は30分ほど寝坊して4時30分に起床。ゆっくりと朝の支度をしテントを撤収。槍平から滝谷の出会いまで何か所か雪崩の後に遭遇。昨日までの降雪で少し積雪の状態は不安定なようなので、雪崩に気を付けながらの下山。白出沢を通過してホット一息。なにやら上空ではヘリの音が聞こえていましたが、遭難でもあったのか?ちょっと気にかけながらも私たちは無事に穂高平まで下山。朝方晴れ間も垣間見れたのですが、振り返ると山の奥は再び濃い雲の中。あとはひたすら新穂高温泉までの右俣林道を今回の山行をかみしめながら下山していきました。

 この日は夕方6時には帰宅。帰ってニュースを見れば、なんと今日まさに我々が下りてきた槍ヶ岳で遭難騒ぎがあったというではありませんか!まああの天気ではさもありなんといったかんじですが、我々もその状況に紙一重でいたということは、今後十分に考えなければならないことだと思います。そしてまた我々が行っている登山という行為は、大自然を堪能できる喜びもありますが、その反面大きな危険もはらんでいるのだということを再認識させられました。大自然のなかではまさに生死は紙一重。 

 そして我々が安全だと盲信している平地のほんのわずか3キロ上空では、平穏な(と感じている?)平地では及びもつかないような過酷な状況がひろがっているという現実。これははるか遠い場所での話ではなく、我々の身近にある危険を暗示させられる山行でした。

 これがまさに大自然の驚異。今年の年明けはその洗礼を受けた幕開けとなりました。