みなさん、明けましておめでとうございます。
2013年もよろしくお願いいたします。
さて年が明け正月も6日となりましたが、巷のニュースでは山岳遭難事故が話題になっていますね。まさしくその遭難事故と時を同じく1月3日~5日、私も山へ入っていました。
場所は南アルプスの甲斐駒ケ岳。おととしの年末に行ったのと同じ黒戸尾根です。当初の予定は北アルプスの槍ヶ岳、もしくは奥穂高岳だったのですが、年末からの降雪とその後の気圧配置、寒気予想などを鑑み、これはとても入山できる気配ではないと思い、こちらに変更したのでした。
1月3日に竹宇の駒ヶ根神社より入山。天気予報はこの日強い寒気とともに冬型の気圧配置が強まるとのこと。7時に竹宇駒ヶ根神社駐車場を出るころから小雪がちらつき、気温もかなり低い感じ。
つり橋を渡った直後から登山道もガチガチ。路肩の凍っていないところを繋ぎ繋ぎ登って行かなければなりませんでした。
しかし登山道の凍結は近年まれにみる激しさで、横手からの道の合流点はるか下でついにアイゼン装着・・・枯葉をアイゼンの爪に突き刺しながらのアプローチを余儀なくされました。
しかし笹の平をすぎると積雪も増し、かえって八丁坂の急登はサクサクと登りやすい感じ。刃渡りの岩稜もご覧のとおり。べったりと雪が付き、難なく通過することができました。
たどり着いた5合目からは、風雪のため6合目より上部をうかがい知ることは出来ず、テン場の快適さも怪しいことから、この日はここで行動打ち切り。早々と幕営してしましました。
3日の夜はものすごい風!我々がいるのは5合目なので、テントが飛ばされるほどではありませんでしたが、上部は今頃どんな状態か・・・想像するのも恐ろしい!
さて翌4日は4時30分に起床。実はものすごい風であまり寝ることができず(この私が寝れないなんて風の威力推して知るべし!)、悶々として夜を過ごしたのでした。さらに我々のいる5合目でさえテントが押されるほどの強風。とても外に出て行動できるとは思えず、明るくなるまで様子を見ることにしました。
外は明るくなり始めましたが、外は依然強風、烈風。時はあっという間に過ぎ、天気は晴天なのに、行動できないとはなんと歯がゆいことか!
しかし写真の通り、昼を過ぎても8合目から上部は雪煙がたなびくほどの強風!これはもう登頂できる見込みなし。結局この日はテントの周りでチンとして過ごしました。
暇にあかして携帯のスイッチを入れると、なんと5合目は電波が入るではありませんか。Iモードで天気予報を確認。明日本州は午前中を中心に高気圧に覆われる見込み。翌5日の天気に期待して再びシュラフに入りました。
さてさて5日の朝は、予報通りの穏やかな晴天!満点の星空の下、準備を整えいざい出発!
やがて夜が明け、東の空からオレンジ色の朝日が!ご来光を拝み、さらに歩みを進めました。
昨日は雪煙が乱れ散る上部の様子も、ご覧の意通り穏やかそのもの。後には八ヶ岳もきれいに望めました。今年の赤岳、なんかちょっとつぶれたマッターホルンの様で、かっこいいですね!
8合目から上部は稜線上に雪が適度に張り付き、トレースもばっちりなのでとても快適。
これといった問題もなくサクサクと登高し、10時30分、待望の甲斐駒ケ岳山頂に登頂。
もちろんこの日は山頂からの展望も最高!すぐまじかに北岳、仙丈岳そして中央アルプスから北アルプスまで、きれいに望むことができました!
しかし感動モノだったのはなんといっても富士山。鳳凰三山を前に従え、雲海の上にズンと鎮座ましまし。「こりゃあ春から縁起がいいやー!!」とはまさにこのことなのでしょうか!?
さすがに天気が良いとはいえ、山頂は気温も低く風も出てきたので、360度の大パノラマを満喫した後はさっそく下山。
しばらくはカリカリにクラストした雪面に足を取られないよう、注意しながら慎重に下山していきました。
しかし山って、ほんと怖いものですね。たった1日でこんなにも状況が変わる。昨日の烈風に比べれば今日は春山!まさに地獄と天国を感じた3日間でした。
さて、いよいよ2013年が始まりました。私もようやく3年前のケガから本格復帰といった感じです。ガイドのカン、雪面を踏む感じ、ロープを操る手触り、体のバランス、自然のリズム、そんなこんなを再認識しながらのまさしく再出発といった感じです。
そして4月には、いよいよ国際ガイドに向けての最終検定が待っています。責任、プライド、そして自信をひたひたと感じながら、気持ちも新たに頑張ります!