杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

小谷でBC

2013-01-30 15:20:53 | ブログ

このところ山は荒れていたようですね。

荒天がひと段落した昨日、今年4月に同じく国際ガイドの検定を受ける白馬の滝本さんと、そのお友達の3人で小谷の奥地へBCへ行ってきました。

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場所は平岩から除雪の終点木地屋のさらに奥、蓮華温泉へ向かう林道をさらに進み、白池のそばにある蒲原山。この時期はアプローチの遠さから、ほとんど誰も来ない静かなエリアです。

とはいえシールを付けてのアプローチではここまで届かないので、写真のようなこともしてみました。

いやー文明の利器というのは怖いものですね・・・

しかしこの日はまだまだ雪が深く、モービルも幾度となくスタック・・・かなり時間を消費する羽目に・・・

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さてさて白池からはシールでのハイクアップ。目指す蒲原山はすぐ目の前。天気も上々、雪も上々でとても気持ちの良いハイクアップでした。

とにかく今日は蒲原山の手前1513mまで。この先はかなりメローな斜面なので、ここでシールを外すことにしました。

1513mピークからの眺めはまた格別!雪倉、朝日、五輪山と、後立の最北部が見事でした!

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1513mピークからのドロップは、まずいきなりの急斜面。素晴らしい雪質のおかげでサイコーのランができました!

モービルを使ってのアプローチはなんですが、とても静かな、それでいてとてもサイコーの滑りを楽しめました。


なんと…

2013-01-27 09:55:41 | ブログ
なんと…
ただいま水上インターにきています。昨日の天気予報でパウダーが予想されたので谷川周辺にくりだしてきましたが、関越は駒寄から大渋滞!さらに水上インターを出るのも一苦労。先が思いやられますね。とりあえず水上のホワイトバレーに向かいます!


いい天気!

2013-01-24 16:02:57 | ブログ
いい天気!
今日は年に一度のケニーズブートキャンプ! 今年の会場はケニー大先生(長岡教官)のお膝元、谷川岳周辺。 今日は結局宝大樹スキー場周辺で、BCスキーを軽くたしなみました。 雪、重めでチョイもなかでしたが、板のおかげで無事走破! だいぶ調子でてきました。 天気もサイコーでしたよー。


マウンテンハードウェアー2013秋冬物展示会

2013-01-18 23:49:18 | ブログ

今日はガイド業の合間を縫って、マウンテンハードウェアーの次期秋冬物展示会へ行ってきました。

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次期ハードウェアーの冬物は、より方向性を専門的分野にシフトし、独創性豊かなラインナップとなっていました。

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特にアルパインのカテゴリーでは、アイスクライマーのティム・エメットと共同開発したジャケットがメインアイテムとなる模様。ハーネスに干渉しないようにポケットはチェストのみでハンドポケットは省略。

脇のベンチレーションも腕の動きを妨げないよう、短めにカット。

とにかく無駄を省き、アイスクライミングに特化したつくりになっていました。

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そんな中で私がひかれたのは、新しい化繊の中綿を使った防寒ジャケットと、今期も話題のQシールドを施した完全防水グローブ。

ジャケットは今までのプリマロフトと同じ重量なら、断然保温性が高いとのこと。グローブも完全防水もさることながら、フィット感といい握りといい、操作性重視の気になる一品でした。

さてさて、これ以外にもレディースを含め、かなり独創性豊かなラインナップがずらりと勢揃い。来季も期待できそうです。

ただ、あまりにも独創性が過ぎると、少し使いづらい部分も出てくることがちょっと気がかり・・・しかし、これも更なる進化の一歩ということであれば、これはこれで良いか。と納得して会場を後にしました。


2013-1-16~17 岩根アイスツリー

2013-01-18 09:51:07 | ガイド山行記録

またまた岩根山荘でアイスやってきました。

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今回はアイスクライミング初体験のお二人。

もともと夏のクライミングはご自身で行っているので、かなり呑み込みが早く、アックスの打ち込みとアイゼンワークをちょっと練習しただけで、傾斜の強いルートも何本か登れました!

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でも基本はアイゼンの立ち込みとバランスの良い姿勢。繰り返し練習して身につけましょう!

ちなみに野辺山から先、川上村の道はかなり雪が残っていてぐしゃぐしゃです。早朝はアイスバーンになる可能性大。

今週末のJAGUアイスイベントで、岩根山荘までお車までお越しの方はくれぐれもご注意を!


2013-1-14~15 岩根山荘アイスツリー

2013-01-15 22:57:28 | ガイド山行記録

この連休は大変なことになりましたね。我が家の周辺もまだ凍り付いた雪がたくさん残っています・・・

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私たちはこの大雪にもめげず、アイスクライミング初めをしてきました。

14日の朝、雪が降りしきる韮崎に集合。そこから野辺山経由で川上村へ。

さらに激しくなった雪の中、緩傾斜の初心者ルートでまずはフォームの見直し。

この日は終始基本練習を繰り返して終わりました。

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翌15日は強い冬型で曇天かと思いきや、打って変わっての晴天。

昨日の基礎練習を生かし、徐々に傾斜の強いルートへ。

お二人ともかなりいいバランスで、安定したクライミングができるようになっていました!

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私も負けじと、新春かくし芸大会よろしく、こんなことをやってみました!?

さてさて次回は天然のアイスゲレンデで、さらにパワーアップを目指しましょう。


栂池でBC

2013-01-13 19:11:34 | ブログ
栂池でBC
今日は実践編! 栂池から黒川沢までのBCで、なんと佐伯岩雄大先生のツアーで、テールガイドを務める大役をいただいたのでした! まあ、あまりお役にはたてませんでしたが… 結構雪は重めで、日の当たる面はサンクラスト。綺麗に滑るには程遠かったですね。 でも後立や戸隠・妙高はとても綺麗でした!


2013-1-3~5 甲斐駒・黒戸尾根

2013-01-06 14:17:34 | ガイド山行記録

 みなさん、明けましておめでとうございます。

2013年もよろしくお願いいたします。

 さて年が明け正月も6日となりましたが、巷のニュースでは山岳遭難事故が話題になっていますね。まさしくその遭難事故と時を同じく1月3日~5日、私も山へ入っていました。

 場所は南アルプスの甲斐駒ケ岳。おととしの年末に行ったのと同じ黒戸尾根です。当初の予定は北アルプスの槍ヶ岳、もしくは奥穂高岳だったのですが、年末からの降雪とその後の気圧配置、寒気予想などを鑑み、これはとても入山できる気配ではないと思い、こちらに変更したのでした。

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 1月3日に竹宇の駒ヶ根神社より入山。天気予報はこの日強い寒気とともに冬型の気圧配置が強まるとのこと。7時に竹宇駒ヶ根神社駐車場を出るころから小雪がちらつき、気温もかなり低い感じ。

 つり橋を渡った直後から登山道もガチガチ。路肩の凍っていないところを繋ぎ繋ぎ登って行かなければなりませんでした。

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 しかし登山道の凍結は近年まれにみる激しさで、横手からの道の合流点はるか下でついにアイゼン装着・・・枯葉をアイゼンの爪に突き刺しながらのアプローチを余儀なくされました。

 しかし笹の平をすぎると積雪も増し、かえって八丁坂の急登はサクサクと登りやすい感じ。刃渡りの岩稜もご覧のとおり。べったりと雪が付き、難なく通過することができました。

 たどり着いた5合目からは、風雪のため6合目より上部をうかがい知ることは出来ず、テン場の快適さも怪しいことから、この日はここで行動打ち切り。早々と幕営してしましました。

 3日の夜はものすごい風!我々がいるのは5合目なので、テントが飛ばされるほどではありませんでしたが、上部は今頃どんな状態か・・・想像するのも恐ろしい!

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 さて翌4日は4時30分に起床。実はものすごい風であまり寝ることができず(この私が寝れないなんて風の威力推して知るべし!)、悶々として夜を過ごしたのでした。さらに我々のいる5合目でさえテントが押されるほどの強風。とても外に出て行動できるとは思えず、明るくなるまで様子を見ることにしました。

 外は明るくなり始めましたが、外は依然強風、烈風。時はあっという間に過ぎ、天気は晴天なのに、行動できないとはなんと歯がゆいことか!

 しかし写真の通り、昼を過ぎても8合目から上部は雪煙がたなびくほどの強風!これはもう登頂できる見込みなし。結局この日はテントの周りでチンとして過ごしました。

 暇にあかして携帯のスイッチを入れると、なんと5合目は電波が入るではありませんか。Iモードで天気予報を確認。明日本州は午前中を中心に高気圧に覆われる見込み。翌5日の天気に期待して再びシュラフに入りました。

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 さてさて5日の朝は、予報通りの穏やかな晴天!満点の星空の下、準備を整えいざい出発!

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 やがて夜が明け、東の空からオレンジ色の朝日が!ご来光を拝み、さらに歩みを進めました。

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 昨日は雪煙が乱れ散る上部の様子も、ご覧の意通り穏やかそのもの。後には八ヶ岳もきれいに望めました。今年の赤岳、なんかちょっとつぶれたマッターホルンの様で、かっこいいですね!

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 8合目から上部は稜線上に雪が適度に張り付き、トレースもばっちりなのでとても快適。

 これといった問題もなくサクサクと登高し、10時30分、待望の甲斐駒ケ岳山頂に登頂。

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 もちろんこの日は山頂からの展望も最高!すぐまじかに北岳、仙丈岳そして中央アルプスから北アルプスまで、きれいに望むことができました!

 しかし感動モノだったのはなんといっても富士山。鳳凰三山を前に従え、雲海の上にズンと鎮座ましまし。「こりゃあ春から縁起がいいやー!!」とはまさにこのことなのでしょうか!?

 さすがに天気が良いとはいえ、山頂は気温も低く風も出てきたので、360度の大パノラマを満喫した後はさっそく下山。

 しばらくはカリカリにクラストした雪面に足を取られないよう、注意しながら慎重に下山していきました。

 しかし山って、ほんと怖いものですね。たった1日でこんなにも状況が変わる。昨日の烈風に比べれば今日は春山!まさに地獄と天国を感じた3日間でした。

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 さて、いよいよ2013年が始まりました。私もようやく3年前のケガから本格復帰といった感じです。ガイドのカン、雪面を踏む感じ、ロープを操る手触り、体のバランス、自然のリズム、そんなこんなを再認識しながらのまさしく再出発といった感じです。

 そして4月には、いよいよ国際ガイドに向けての最終検定が待っています。責任、プライド、そして自信をひたひたと感じながら、気持ちも新たに頑張ります!