MARUMUSHI

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『食堂かたつむり』。

2010-02-09 22:52:26 | 映画日記
『食堂かたつむり』を観てきた。

「あんたは不倫相手の子。だから、倫子なの」
と母に言われ、町中の人から言われ、それが嫌で町を飛び出し、祖母の元に身を寄せる。
祖母からは料理を教えてもらい、「自分の料理の店を持ちたい」と夢を抱く。
恋人とともに店を開くためのお金を貯め、やっと夢がかないかけた時にその恋人がお金とともにドロン。。。
傷心のあまり声まで失い、希望も失ったまま、しかたなく嫌で飛び出した町へ戻る。
嫌いな母との共同生活。
そんな中で、いろいろな人の力を借りながら、彼女は小さな料理屋【食堂かたつむり】をはじめる。。。


もっと、オシャレで奇麗な物語かと思っていたら、ずいぶんと汚くてケバケバしくて、残酷な話。



よく考えたら料理っていうのは残酷でグロテスクな物なのだ。
皿の上に載っているのは、魚の死体だったり牛、豚の死体だったりするわけだし。
そこにある命を喰ってるのだ。
けれど、人はそれに「料理」という名の魔法をかける。
同じ栄養を摂るという行為であっても、人間だけが「料理」するという工程を挟むのは、食材が持っている以上の何かを得るためなのかもしれない。



自分の娘に素直になれない母。
大嫌いだけれど、その母を憎みきれない娘。
料理はそんな2人だって結んでくれる幸せのための魔法なのだ。