隊長が、観賞した「テレビ番組」を紹介するシリーズの第635回は、『ドラマ 「119エマージェンシーコール」』をお送りします。
民放各局の1月から始まった冬の連続TVドラマ(連ドラ)、多くの作品が放送されています。その中で隊長が観始めたのは、七作品です。
その冬の “連ドラ” を批評するコーナーの一作品目は、『まどか26歳、研修医やってます!』 、
二作品目が、『アイシー~瞬間記憶捜査・柊班~』、
三作品目は、『クジャクのダンス、誰が見た?』 でした。
今日ご紹介する『119エマージェンシーコール』は、フジテレビ系列「月9」枠で、1月13日から放送開始されました。放送時間は、毎週月曜日の 21:00 ~ 21:54。
尚、「月9」の前々作は、目黒蓮主演の『海のはじまり』 。
本作品は、119番緊急通報に応答し、適切に救急車、消防車の出動を指令する指令管制員たちが、様々な通報に、もがき苦しみながらも、適切に対応している姿を描いた、社会派ドラマです。
脚本:橋本夏と小柳啓伍による、完全オリジナル作品。
橋本夏さん脚本のドラマは、2022年1月期 『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』 と、2023年4月期 『わたしのお嫁くん』 を、取り上げています。
主人公で、指令管制員・粕原雪(かすはら ゆき)を演じるのは、清野菜名(せいの なな)。
共演者:瀬戸康史、佐藤浩市、中村ゆり、前原滉(まえはら こう)、一ノ瀬颯(はやて)、見上愛、ほか。
主題歌は、羊文学の「声」。
第1話のあらすじ:「119番消防です。火事ですか、救急ですか」。横浜市消防局司令課3係で通話を受けた粕原雪(清野菜名)。雪の隣には、教育係として兼下睦夫(瀬戸康史)が指導にあたっています。緊急性のない119番通報に対しては厳しい態度をとる兼下の様子を、係長の高千穂一葉(中村ゆり)は苦笑いで見ていました。
休憩時間になると同僚の与呉心之介(一ノ瀬颯)や箕輪健介(前原滉)は、兼下の指導は無愛想だがもうすぐ終わるから辛抱するようにと雪を励まします。だが、当の雪は気にしていない様子。同じく同僚の新島紗良(見上愛)はみんなの話には加わらずにいました。
高千穂は自分のデスクに兼下を呼び、雪への指導に愛がないのではと注意します。兼下は最初から自分は指導係に向いていないと断ったと反論し、異動時期ではないのになぜ雪が来たのかと不満を漏らします。高千穂は銀行を退職してまで指令管制員になるために、消防局に入った雪は大事に育てなければいけないと諭します。さらに、高千穂は、雪はずば抜けた能力を持っていると教えます。それは、雪が一度聞いた声や音を忘れないでいることでした。
その夜、司令センターに現れた堂島信一(佐藤浩市)を、雪はあこがれの眼差しで見ています。それには、ある理由があったのです。そんな時、雪が受けたネットカフェの男性客からの119番通報を皮切りに、管制員たちは次々に通報を受けるのでした。。。。。
2月24日放送の第6話までの感想:限りなくリアリティーを追求するため、横浜市消防局全面協力の下、最新の消防司令センターをセットで完全再現し、撮影を開始しました。また、横浜市との間で連携協定を締結していました。
ところが、フジテレビの中居正広氏の女性トラブルに端を発した、同局のガバナンス欠如により騒動が拡大。スポンサーの大半が、自社CMの放映を差し止め、公共広告などに差し替える事態が、本ドラマにも影響を与えました。
それだけでなく、放送がスタートしてから、横浜市及び横浜市消防局協力のクレジットが、エンドロールから削除されることになりました。さらに、第1話の放送中に発生した、日向灘沖地震により、一旦中断し、その後再開したり、1月27日放送予定だった第3話は、「フジテレビ経営陣会見」のため翌週に延期されるなど、ドラマの内容以外のところで、注目されました。
しかし、ドラマ自体は、隊長の評価では、観るに値する作品だと思います。何故なら、消防・救急のスぺシャリスト集団である指令管制員たちが、通信技能と医療知識を駆使して、危機に瀕(ひん)した “命” をつなぐために、日々、“声” を聞き “声” で救っている様が、良く分かるからです。
社会派ドラマであると共に、職場や家庭での人間関係、新人指令管制員・粕原雪の成長する姿など、人間ドラマでもあります。
2022年1月から非定期ですが、NHK総合テレビで放送されている『エマージェンシーコール ~緊急通報指令室~』も、ドラマの放送中に、4回新エピソードが放送されました。
こちらは、日本各地の緊急通報の指令室にカメラが密着し、緊急通報を受けるオペレーターと、通報者の会話だけで日本の今を描くノンフィクション番組です。番組を観ていると、実際に起こった通報者ととな指令管制員とのやり取りなので、現場の緊迫感と、指令管制員の緊張感が伝わってきます。
ドラマの方も、このノンフィクション番組に勝るとも劣らない程、リアリティがあります。リアリティあるドラマに仕上げる為に、脚本家・演出家・プロデューサーなどのスタッフが、入念な取材をしたことが、想像できます。
それと、ドラマに登場する俳優陣の演技力だけでなく、通報者として声だけで出演する声優さんの演技力もリアリティさの表現に重要な役割を担っていますよね。
清野菜名さん、ゴールデンタイムの連続ドラマに初出演ということで、本来なら彼女のキャリアアップになったのでしょうが、フジテレビ上層部のガバナンス欠如による騒動で、本ドラマへのバイアスが掛かってしまい、可哀そうな気がします。
他のキャストで注目しているのは、指令管制員主任・堂島信一を演じる佐藤浩市さん。ベテランらしいいぶし銀の演技は光ります。第6話では、前フリに係長・高千穂一葉(中村ゆり)から健康診断受診を促されながら応じないシーンがあり、ラストに堂島が飲料自販機の前で咳き込むと掌に血が付いているシーンがありました。堂島のこれからも、気になります。
尚、『119エマージェンシーコール』 次回・第7話は、3月3日(土) 夜9時からの放送予定です。
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