隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

本と雑誌 53冊 『池永陽 「コンビニ・ララバイ」』

2020年07月23日 | 本と雑誌

隊長が読んだ「本と雑誌 」を紹介するシリーズの第53回は、『池永陽 コンビニ・ララバイ』をお送りします。




『コンビニ・ララバイ』は、池永 陽(いけなが よう)が、2002年に発表した小説です。本の雑誌が選ぶ、2002年上半期ベスト1作品。


著者の池永陽さんは、1950年愛知県生まれ。グラフィックデザイナーを経て、コピーライターとして活躍。1998年「走るジイサン」で第11回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。現在、岐阜県山県市在住。


本書は、集英社より、集英社文庫の体裁で発行されています。解説:北上次郎。


内容:物語の舞台は、小さな町の小さなコンビニ「ミユキマート」。オーナーの幹郎(みきお)は、妻子を事故で亡くし、幸せに出来なかったことを悔やんでいました。店には、同じように悩みや悲しみを抱えた人が集まってきます。


堅気の女性に惚れてしまったヤクザ。声を失った女優の卵。恋人に命じられ売春をする女子高校生、など。彼らは、そこで泣き、迷い、やがて、それぞれの答えを見つけていきます。。。


この本を読もうと思ったきっかけは、池永陽さんの同名小説を基に放送されたテレビドラマ『珈琲屋の人々』⇒
https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/24af02048477fbf7f1be8890065353ec を観て、同氏の他の作品を読みたくなったからです。


とにかく、もの悲しくもあり、温かさが心に浸みる小説です。コンビニという舞台設定が、登場人物の性格を浮かび上がらせるのに成功しています。七話の短編、それぞれに、いろいろな“恋の形”があることを気付かせてくれます。


『珈琲屋の人々』の主人公で店主の行介(こうすけ)同様、本作の幹郎も、贖罪の思いに駆られながら、生きています。その過去の辛い体験から、今は優しい思いやりのある人間です。


『コンビニ・ララバイ』を読みながら、映画・ドラマ化された時のキャスティングを考えていました。


「ミユキマート」店員で亡くなった妻の友人・治子。勝ち気で、正義感が強く、姉御肌の治子役には長澤まさみ⇒
https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/7d5cbe15d39aa5a488d88db24c0697dd が直ぐに頭に浮かびました。


その治子に恋をする若いヤクザ・八坂。一途で、向こう見ずな八坂。最後は、“鉄砲玉”として、散ってしまう八坂役には、佐藤健や菅田将暉が適役でしょう。


しかし、幹郎役の名前がなかなか出てきません。『珈琲屋の人々』の行介役には、若い頃の高倉健が一番相応しいと書きましたが、珈琲屋の店主ならまだしも、健さんのコンビニ・オーナー姿は想像できません。結局、最後まで幹郎役をキャスティングすることが出来ませんでした。


池永陽さんの他の作品に、触れてみたくなりました。


尚、隊長が読んだ『コンビニ・ララバイ』の発行年月は、2005年6月。価格は、600円(+税)。




==「本と雑誌」バックナンバー ==
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/dc30502bb229b843454e38b8994f9be0

1~40冊  省略

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42冊 2019/1/6  『SAKIMORI』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/3b8d6573a2a3ca238ffcf715cfc16e4f

43冊 2019/1/28 『演劇とはなにか』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fb2b24afd8e949f1504e7d8a707b395e

44冊 2019/3/21 『林真理子「最終便に間に合えば」』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4ed2c3cc4f363616dac47d66a9155226

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