隊長が観た「テレビ番組」を紹介するシリーズの第290回は、『ドラマ 「スローな武士にしてくれ」』をお送りします。
『スローな武士にしてくれ』は、NHK BSプレミアムで、2020年3月20日(金)の21時~22時59分に放送された、単発ドラマです。
番宣ポスターには、“超アナログな男たちが超ハイテク時代劇を撮る? 出来るのか!!”と謳っています。
作・演出は、源孝志(みなもとたかし)。
主演は、内野聖陽(うちのせいよう)。
共演者は、柄本佑、中村獅童、水野美紀、伊武雅刀、石橋蓮司、見浩太朗、本田博太郎、ほか。
あらすじ:舞台は、京都の歴史ある「京映京都撮影所」。そこにある日、NHKからの依頼が舞い込みます。「最新鋭の技術を駆使して新番組を撮ってほしい」という内容です。
山のようなハイテク機材とともにNHKから派遣されてきた男・田所(柄本佑)は、人並み外れた時代劇マニアでした。到着するなり、幕末の「池田屋事件」をドラマにしたいと言いだし、撮影所の活動屋たちを仰天させます。
さまざまな困難が予想される新技術の撮影現場で、売れっ子俳優を起用すると面倒なことになりかねません。そこで撮影所長の八村( 伊武雅刀)は、切られ役専門の大部屋俳優・シゲちゃん(内野聖陽)を抜擢、新技術満載の過酷なアクションシーンを撮影することに。
しかしシゲちゃんは、殺陣は超一流にも関わらず、なかなか芽が出ない理由があったのです。それは、緊張するとセリフが口から出てこないという致命的な欠点です。しかも撮影にあたるのはハイテクとは無縁な、映画撮影所所属の高齢スタッフばかりです。
次々と持ち上がるトラブル、難題を乗り越えて迎えるクライマックス、世界最先端のハイスピードカメラとワイヤーアクションで前代未聞の池田屋階段落ちに挑みます。シゲちゃんと活動屋たちは、ハイテクの試練を乗り越えることができたのですが。。。
感想:タイトルの『スローな武士にしてくれ』は、ドラマの中でもネタあかしをしていますが、1981年に公開された浅野温子主演の映画「スローなブギにしてくれ」から取っています。
また、大部屋俳優にスポットを当て、池田屋階段落ちが見せ場になるのは、1982年に公開され松坂慶子・風間杜夫・平田満が出演した「蒲田行進曲」が直ぐに頭に浮かんできます。
その他、撮影シーンでは、「椿三十郎」、「十三人の刺客」など過去の名作時代劇を彷彿とさせます。まさに、“映画全盛期”を思い起こさせるオマージュ作品となっています。
そんな“超アナログ男たち”のドラマに、「水しぶきひとつひとつを鮮明に見せる世界最新鋭ハイスピードカメラによるスーパースローモーション」撮影など、NHK自慢の“超ハイテク撮影機材”が登場するという、シニカルなドラマですね。
随所に登場する殺陣(たて)シーンもたまらないですね。隊長は、昔は“チャンバラもの”が好きではありませんでした。それが、三年前から稽古を始めた日舞(新舞踊)で、模造刀を使用するの曲の振り付けを習い始めたから、“チャンバラもの”が好きになりました。
その観点から見ると、内野聖陽さんの刀裁きは、見事でした。また、大物時代劇俳優・里見浩太朗という本人役名そのままを演じた里見浩太朗さん、さすがです。
それと、シゲちゃんの妻・村田富士子を演じた水野美紀。元アクション女優という設定ですが、ドラマ後半では、立ち回りシーンを演じてくれました。知る人ぞ知る、アクションシーンが得意な水野美紀さん、期待通りの動きを見せてくれました。
「池田屋階段落ち」シーンで、老カメラマン・武藤幸四郎(本田博太郎)がワイヤーロープに吊られてカメラを回すシーンには大声で笑ってしまいました。
それ以外にも、随所に笑いをぶち込んできます。人情物でもあり、コメディでもあり、超アナログでもあり、超ハイテクでもある、稀有な“時代劇”に仕上がっていました。隊長にとって、最近の単発ドラマの中では、一番の作品です。
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