ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

主に人生の歩き方について「人生お弁当箱診断」など
以前のブログ名:和色ムーブメント

自分の根っこを信じて

2008年09月02日 | 楽時々益


■■
■■■  世の中の
■■■■    流行り廃りの
■■■■■      周期を視つめ
■■■■■■        懐古魁新を粋に慮る
■■■■■■■          人と心の時空間を遊し
■■■■■◇■■            独自の感性で時代を周回する
■■■■■■■




勤続19年4ヶ月、
会社を退職しました。まあ、会社員になりたくて今の仕事を選択した訳ではない
ので、ある意味、“飲食業界人に戻った” という感覚です。いや ・・・ 今はまだ、
“飲食業界人に戻ろうかどうか考えている最中” が正しいのかもしれません。

飲食店には、
何代にも渡って受け継がれながら名前と店舗を守っている老舗もありますが、
それはごく一部の稀なお店です。多くの飲食店は歴史や伝統だけではけっして
存続できません。常に近隣競合店との過当競争があり、顧客ニーズをいち早く
察知して提案できなければ勝て(残れ)ないのです。そう考えると、業界の宿命
とはいえ、生まれては消え ・・・ また、消えては生まれる ・・・ の繰り返し(業界
循環)を行なっていると言えるのかもしれません。

時代が周回し、
流行り廃りを繰り返すのです。その流れや波を乗り越えて勝ち抜かなければ
なりません。それは店舗のみでなく人も同様なのです。そして経営者であろうが
スタッフであろうが、流れに乗れず波にのみ込まれた者は去らねばなりません。
無論、組織なら世代交代も含めてかもしれません。そのすべてがスムーズにいく
とは限りません。どちらかと言えば、スムーズにいかないことの方が多いものです。
だから、そこに成功と失敗という両極とも言える大きな差ができるのです。

新規出店は、
それまで積み上げてきたノウハウを駆使しつつ、業態や店舗規模・内容等の
アウトラインを決定して立地のリサーチを行ない、ヒットする店舗スタイルを
プロデュースしていきます。一方で、収支を弾きながら事業計画を練り上げ、
タイミングを計ってオープンに至ります。もちろん、その他諸々同時進行で
取り組まなければならないことは山ほどありますが ・・・ 。

既存店は、
常にブラッシュアップして新鮮さを保たなければ客数の維持ができない時代だと
言えます。加えて、そこに踏み込むには数値(売上・コスト)を睨みながらそつなく
スケジュールを組み、錆び止めに潤滑油を与えるようなイメージで維持管理を
行なうという課題も生まれてきます。また、商品開発や人材育成なども並行して
進めなければならない重要項目です。

さて、本題 ・・・
「飲食業」 の基本とは何なのか?
「飲食店」 の根本には何が必要なのか?
「飲食業界人」 の根っこはどうあるべきなのか?
私はこのクエスチョンで立ち止ってしまったのかもしれません ・・・ 。

何のため誰のための飲食店か?
果たして、上記に掲げた事業パーツを大きなジグソーパズルのピースとして
組み合わせて完成させるだけで本当に良いのか?という疑問がこの数年、
私の中で大きくなってきたのです。完成形があって、そこに埋め込むだけの
作業がしたくてこの業界に入ったのか? 確かに、現場で1スタッフとして
働いていた若い頃は、何の疑いもなく日々一生懸命、仕事(作業)に没頭
していましたし、それで良かったと思います。ただ、この歳になって、飲食業
という業界の表も裏も見れるようになると、“業界人として絶対に譲れない
自分の基本は何だったのか?” と自問自答することが増えてきたのです。

もう一度、
素直な見地から 「飲食業」 「飲食店」 「飲食業界人」 の本質に迫ってみたい
と思うのです。そして、その本質の部分に深く関わって仕事をしていきたいと
思うのです。ここ数年、気づけば店舗や会社の存続維持のためのみに働いて
いたような気がするのです。その会社は悪い会社ではありませんでした。
どちらかと言えば、飲食業には珍しく公正で穏やかな優良会社です。良い会社
だったが故に、私はその事業部を壊さないように守ろうとしたのかもしれません。
裏を返せば、知らず知らずのうちに攻める気持ちが薄れていたようです。

「フードビジネス」
という括りで紹介されるようになった 「飲食業」 では、その実態も “業” から
“ビジネス” に変化しています。“名より実を取る” ことは悪いとは言いません。
ただ、「飲食業」 であろうが 「フードビジネス」 であろうが、そのベースを支えて
いるのは、間違いなくお客様とお店のスタッフです。そして、その底辺である
街場にたくさん存在する個人経営の小さなお店があるからこそ、また、そこで
働くスタッフが存在しているからこそ、高級店やブランド企業、一流料理人が
クローズアップされているということを忘れてはならないと私は思うのです。

退職を伝えた途端、
多くの方から “これからどうする(何をする)のですか?” と質問がありました。
ほとんどの方が、私の行く末?を心配して声を掛けてくださったのですが、
中には真剣に、“なんかやってください!” と妙にプレッシャーを掛けてくる方も
おられました。今後は、ハッキリしたビジョンを持った個人オーナーさんが経営
しておられる小さなお店の支援(コンサルティング)であったり、そういう環境で
将来を夢見て汗しているスタッフの応援(コーチング)あたりの仕事ができれば
よいと考えております。「コンサルティング」 や 「コーチング」 といった横文字で
表現すると勘違いされるかもしれませんが、要は、“少しでも人の役に立つ仕事”
に携わり、もう一度、自分自身を高めてみたいと考えております。





飲食業に携わる一人の業界人として、
“飲食業の基本” を理解し、“飲食店の根本” を持って、
“飲食業界人の根っこ” で勝負している店舗やスタッフと関わり応援したい。
自身もそういう環境で個性的に役割を果たしてみたい。いや、勝負してみたい!

最終日、
礼節を欠かない独立した後輩(職人)から “長い間、お疲れ様でした。”
という電話が入りました。ボチボチ商売をしている元相方の料理長からも
さりげなく連絡が入りました。会社では、事業部の女史や本社の三十路女性陣
から頂いた温かいねぎらいの眼差し ・・・ 言葉は必要ありません。入社以来、
私が期待しているホープ3人組も今は中堅社員となり、それぞれ私の思惑通り?
(個性的)に私の退職に反応してくれました。良かった(嬉しかった)です。そして、
おばちゃん(同世代です、すんません)からは “なんでぇ~?なんでぇ~?” ・・・

皆さん、大変お世話になりました。そして、ありがとうございました。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大海への航海!・・・後悔? (第五大成丸)
2008-09-03 01:09:12
>小夏さん
 
入社当初の5年は、次から次へと環境の変化が
あって、辛く長く感じていたかもしれませんが、
あとの約15年は、同じパターンの繰り返しで
変化に乏しく、一層、長く感じていたような ・・・
しかし、今、振り返ると アッと言う間だった
ような気もします。
 
小夏さんの「根っこ」は
私以上に頑固ですよね ・・・ 。
まあ、お互い、意地を張らない程度で
“ボチボチ自分なりに”進みましょうや!
ありがとうございます。
 
返信する
ありがとう! (第五大成丸)
2008-09-03 00:48:58
>まさふみさん
 
今まで、何度も 何度も 懲りもせず、
その“信念”がもとで失敗(後悔)していますが ・・・
まあ、それこそ 人間の基本(根っこ)なんて
簡単には変わらないということなのでしょうね。
 
カラダはほんの少し摂生していますので、
だいぶマシみたいです。(5kgほど痩せました!)
まさふみさんこそ大丈夫でしょうか ・・・ ?
また、連絡入れますわ。
 
返信する
大成丸の船出 (小夏)
2008-09-02 23:19:11
お疲れ様でした~。19年ですか・・・
長かったですか?それとも短かったですか?

わたくしも日々の暮らしの中で、
時に自分を見失うことがあります。
そんな時は、やはり心根ですねっ。

「根っこ」大切に想いますっ。
返信する
お疲れ様でした。 (まさふみ)
2008-09-02 16:46:32
本当に長い間お疲れ様でした。

なかなかこの場にしっくりとくるコメントが
見つかりませんが
貫かれた信念は、絶対に大切なものだと思います。

今後も大切ですが、やはり健康が一番。
どうぞご自愛くださいませ。 
返信する

コメントを投稿