ラグの「素直に生きれば人生は楽しい」

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パフォーマンスとデモンストレーション

2009年10月02日 | 二升五合




「パフォーマンスとデモンストレーション」

昨今、
すべての業界で 「パフォーマンス」 全盛の時代といえるかもしれません。
“○○にはパフォーマンス性がある” とか “高いパフォーマンスの○○” という
表現で、従来の演技や性能といった意味合いに限らず使用されています。
購買側(たとえば消費者)からすれば、パフォーマンスの高さが商品やサービス
購入の判断材料になっていることは事実で、そういう時代であることも、また
事実ではないでしょうか。

昔から、
スーパーマーケットの食品売場や街頭で行われている実演販売も、今で云う
パフォーマンスの一つですが、昔は 「デモンストレーション」 という言葉が盛んに
使われていました。もちろん、“デモ行進” や “デモテープ” など “デモ○○” や
“○○デモ” いう簡略形で、今では各分野で当たり前に使用されています。

写真は、
有馬炭酸煎餅の実演販売(デモンストレーション?)になるのでしょうか ・・・ ?
昔から職人さんが仕事場で行ってきた作業の一端です。たまたま、仕事場である
部屋の明り取りや風通しのための窓がガラス張りで、外を通る人からその作業が
見えたことの延長だったはずです。それが今は、そのスペースを意識して店内を
レイアウトして、実演販売を実施している店舗が増えたということだと思います。
意識して実演販売をすることで、そこにパフォーマンスが生まれることは事実です。

言い換えれば、
単純な作業であっても、そこに熟練の技やストーリー性を加えることで、単なる
実演販売よりもパフォーマンス性が上昇します。最近、スーパーの試食コーナー
においても、おばちゃんが家庭用のホットプレートでウインナーを転がしていた
レベルから、コックコートを着込んだシェフ風の人が業務用の鉄板を持ち込んで、
本格的に調理実演を行うスタイルで変化を持たせています。マグロの解体ショー
しかりです。要は、その視覚的なパフォーマンスが購買意欲を高めるのです。

さて今後、
そういった工夫や努力は必要でしょうか?・・・ もちろん、必要だと感じます。
ただし、なんでもかんでも見せればいいというものではありませんし、内容の
伴わないパフォーマンスは、元々の商品やサービスの価値さえも下げてしまう
可能性もあります。特に、パフォーマンスだけを気にして、知識や技術の習得を
おろそかにするようなことがあれば、それこそ、すぐに客離れが起こります。
基礎や基本、裏打ちされる技術や技量がある上でのパフォーマンスでなければ
なりません。

飲食業において、
日本には独特の商売やスタイルがあります。たとえば、「立ちの寿司屋」 です。
( 「立ちの寿司屋」 とは立ち食いや回転ではなく、普通のお寿司屋さんのこと )
カウンター越しにお客様の様子を見ながら、ネタを用意して熟練の技で握って
くれる ・・・ お客様との会話の中からネタの順番と間合い、握るタイミングまで
計算しながら場を作っていきます。味はもちろんのこと、その流れがスムーズで
その技や時間を顧客が満足すれば、パフォーマンスの高いお店だという評価が
なされます。感動を覚えれば、よりパフォーマンスが高いと評価されるでしょう。

寿司屋に始まり、
大衆割烹や小料理屋(小さな料亭含む)、やきとり屋や居酒屋全般、うどん屋、
そば屋、ラーメン、カレーショップ ・・・ 日本の食事処には、カウンター席を設ける
店舗が多く、必然的に対面販売の形となり、料理人が接客にも関わります。逆に、
お客様は料理人の仕事(料理技術)や仕草を間近に見たり触れたりできるわけ
です。普通なら、あり得ないような業種(各国料理店など)においても、日本では
店舗スペースの問題もあり、厨房と客席の間をカウンター席としている店舗が多い
はずです。

“狭いから仕方なくカウンター席を作った”
という言い訳でなく、お客様と直接コミュニケーションのとれるそういう席では、
積極的にアピールできるとプラス発想すべきです。現に、ちゃんとした料理人
を擁したレストランやアッパーな居酒屋では、厨房の調理が見渡せるカウンター
席は必須になっています。ライブ感やシズル感の演出という一面もありますが、
経営や運営サイドからすれば、スタッフに緊張感を持たせる意図やサービス業
のスタッフとしての意識改革という側面もあるはずです。

いずれにせよ、
“自分の仕事が見られている” という部分から始まり、“誰に見られても大丈夫”
“お客様に見てほしい” “どうぞ私の技を見に来てください!”と変化する毎に、
その店舗のパフォーマンス性は高まるはずです。今の時代、“美味しい!” は、
もう最低条件であり、“楽しい!” “嬉しい!” “なるほど!” “まさか ・・・?” まで
用意してゲストをお迎えできるお店でなければ、人気を博せない現状があります。
まず、お客様と向き合う(お客様から逃げない)環境を現場(店舗)に作ることが
経営者の最大の役割かもしれませんね ・・・ 。

“コストパフォーマンスが高い”
という言葉も当たり前のように使われるようになりました。ただし、価格や対価
といったリアリティーな数値を前提とした評価は、パフォーマンスという抽象的な
表現以上に、人によって捉え方や評価の基準が違います。よって、その評価に
惑わされず、自身で判断するという癖づけをしなければならない時代になった
ということは紛れもない事実であり、結構、難しい時代になってきた気がします。

すべては、“お客様(購買・消費者)の為に” ・・・ その言葉の先には必ず、
スタッフ(販売・供給者)のプライドを持ったポリシーが無ければ成立しません。
単に売る為の甘い言葉やデモンストレーションは意味がありません。ましてや、
上辺のパフォーマンスだけでお客様を騙すような商売はいずれ滅びることは
容易に予想できます。何故なら、即座に “UNNECESSARY!” と言える時代に
なってきたはずですから ・・・ 。



■ 二升五合 ■

売る為に何が必要か
どうすればモノが売れるか

そういうビジネス発想や思考で
モノが売れる時代は終息する

必要なモノが、本当に良いモノが
普通に売れる時代がやってくる

元や昔に戻っているのではなく
ただ、普通になっていくだけのこと

こんな時代だからこそ、
素直に見詰め直す必要が ・・・


第五大成丸



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