Life with Leica

ライカ片手に写真散歩

文化住宅

2007年11月03日 | 未分類

KONICA MINOLTA α-7DIGITAL 28mm F2.0

いわゆる「ブンカ」である。自分も子供の頃、こういう家の1階に住んでいた。
1階と2階が別の住戸になっていて、2階の家は玄関の扉を開けるといきなり階段になっているのだが、このスタイルはどうやら関西独特のものらしい。

「戦後急速に普及した日本独特の共同住宅のひとつのタイプで、二階建の立体式長屋ともいえる形式をもつ。木賃アパートと文化住宅の決定的な違いは、前者は玄関、炊事場、便所等が共用であるのに対して、後者は専用のものをもつということである。つまりアパートに比べると比較的独立性が高いものとなっている。
かつて「文化」は「新しさ」を表すシンボルであったが、「文化住宅」のそれは何にでも「文化」を付けすぎて値打ちが下がってしまったものの最終点のひとつを示しているのだという説には説得力がある。」
「また、大阪独特のものとしてすべての住戸が直接道路に面しているものがある。これを「重ね建て形式」と呼び、東京方面では例が少ない。」
(TOTO出版「建築MAP大阪/神戸」より)



文化の日

2007年11月03日 | 未分類

広田は賞勲局に命じ、この「文化」のため勲章制定に意欲的に動いた。当然、勲章を占有視している軍部の妨害が予想されたが、広田は、何が何でも実現しようと思った。
このため、ぐずといわれている広田だが、いちはやく参内して天皇に御説明し、御内意を得た上で閣議にかけるという強行手段に訴えた。
天皇はよろこんで賛成された。
「政治上のことでないから、自分の意見を述べてもよいだろう」
といわれ、リボンの結びの桜について、
「桜は軍人がいろいろ用いているから、右近の橘、左近の桜だから、橘にしたらよかろう」
とのアイデアを出された。
広田は、そのお言葉を心の中で何度もくり返した。
天皇はまた、「文化は永遠であり、散りぎわの美しさを示す桜で代表させるべきではない」
という意味のこともいわれた。
こうして、白く簡素な橘の花が、文化勲章に用いられることになった。

(城山三郎「落日燃ゆ」より)