Life with Leica

ライカ片手に写真散歩

田んぼのある風景

2007年11月23日 | その他国内

Leica M2

父親の実家のある兵庫県の但馬地方。

この、山の斜面に猫の額のように小さな田んぼを積み重ねた風景を見ると、いつも、日本人はこうやってコメを作ってコメとともに生きてきたのだなあ、と思う。

「それほど、イネの到来はこの四つの島の古代的多様社会に、大きくローラーをかけて一つ文化に地均ししてしまうほどに、強烈であった。
イネという南方の低湿地に自生していた植物が、中国江南地方や朝鮮半島から移住者とともに渡ってきて根をおろしたとき、一年に四,五ヶ月の高温多湿の季節をもつというこの島々に格好な適性を見出した。」
「あるいは当時、一神教の神がコメとともにやってきて、神かコメかどちらかを選択せよといったとしても、ひとびとは神を選ぶよりもコメを選んだのではないか。」
(司馬遼太郎「北海道の諸道 街道をゆく15」より)

サラリーの語源は塩だが、日本の侍は収入をコメで表した。(三十俵二人扶持とか)それほどの、一つの作物に対する執着がこの日本の風景を作り出してきたわけだ。

ところがこのあたりも典型的な過疎の地域で、年々高齢化が進み、人口が減少している。そのことはイコール日本の農業の危機でもあって、この風景も危機に瀕しているといっていい。

その一方で、道路だけは行くたびに良くなっているのが何とも複雑な気分だ。

本日、勤労感謝の日。

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