私塾 成趣館

広島県東広島市の古流沖縄空手道場。稽古日は火・金。幼年部5時~少年部6時半~一般部8時~10時。(木)7時半〜中高生の部

新垣清最高師範  「日本講習会2012、5/19,20」

2012-05-22 19:55:27 | 空手
行ってきました大阪に。
2回目の新垣師範の講習会。

会場のドアを開けるとそこには
新垣師範がいらっしゃった(雪国?)。
笑顔でお互いに握手を交わし、再開を喜んだ。
また、今回参加の面々の半分は前回参加者なので、
和やかな雰囲気にセミナーの会場が包まれていた。

今回はナイハンチを中心に講習が行われた。
待ちに待ったナイハンチ。
ナイハンチが出来たら空手の八割が出来たとも言える。
(もちろん、単純にそんなに甘い世界ではないが)

二日間の講習は驚きと発見の連続であった。
今まで考えもしなかったこと、しかし、
納得する以外無い説得力。
参加者全員その世界に引き込まれ、
休憩中も誰も休憩せず、師範への質問攻めである。
皆の熱意、そして如何に空手には疑問点が多いのかが分かる。

講習会終了後の懇親会も師範を囲って
かなりの盛り上がりであった。

皆が師範に引き込まれるのは、師範は真摯に空手を追求し、
疑問を質し、間違いを間違いとし、正しいことを正しいこととする姿勢。
しかし、他流批判や個人攻撃は決して行わず、悲観的ではなく、
常に希望的な人柄に依るものも多分にある。

新垣師範はこう語ってくれた。
「空手は近現代、その姿を改変させ、
体育的なものにしてしまった。
しかし、それはそうしなければ生き残れなかったから。
そうすることによって、沖縄の一地方の田舎武道が、
世界の誰もが知る空手へと発展した。
そのお陰で、我々は空手を学ぶことが出来た。
もし、一地方の武道でしかなかったら、
こんなに多くの人が空手を追求しようと思っただろうか。
私は、どんな形であれ、空手というものを残してくれた先人に
強く感謝の念を感じざるをえない。
この先人が残してくれたものを、どうするかは我々次第だ。」
といった内容のことを語ってくれた。

これは、空手に限った事ではないのだろう。
日本には、空手と同じように形を変え、
意味を変えてしまった多くの文化がある。
それは商売道具としてだけの文化かもしれない。
観光資源としてしか見られないものかもしれない。
地味なものを出さず、派手なもの一辺倒になってしまったものあるかもしれない。
実用的な物としてしか扱われないものになってしまったかもしれない。
一部のマニアのだけのものとなってしまったものかもしれない。
換骨奪胎されようが、魂を抜かれようが、
それでも、現代に伝わり、残っている。
そこに存在すれば、元に戻すことも、
魂を入れ直すことも出来る。
勿論並々ならぬ努力は必要ではあろうが・・・。
これを生かすも殺すも今を生きる我々次第なのである。

新垣師範の講習会は前回同様、空手以外の大きな課題を課してくれた。

戦後、日本人は多くの日本を捨てた。
それでも、多くの日本がこの国には残っている。
その多くは世界に類を見ない素晴らしいものである。
確かに形は変わったり、数は減ってきたりしてはいる。
今、戦後からの価値観を大きく転換するべき時代になっているのだと思う。
我々の世代が何を残し、何を創っていくべきなのか・・・。

私は、少年部を指導していると、
悲観的なことは何も感じなくなる。
そこには大きな希望が満ちあふれている。


最後に新垣師範に無想会東広島同好会の認定書をいただきましたので
ここに掲載しておきます。
また、無想会の六級を取得しました。
一緒に無想会の公式道衣もいただきました。
師範にはいつも眼をかけて頂いて、感謝感謝のひとことです。
(ちなみに、無想会東広島同好会と、
私塾成趣館 沖縄少林流空手道とは
別個のものですので、あしからず)

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