その日、極熱燗をぐびりとしながら、
丸ごと一匹の煮付けを箸で突く絵を妄想しまして、
夕方になるとその妄想は割れんばかりに膨らみまして、角上魚類さんに向かったのです。
いろんなお魚さんが行儀よく並んでる中、一番瞳が輝いているやけに黄色いカサゴに出会ったのです。
家に持ち帰り改めて対面すると、なんか風貌がおかしい。
お前、カサゴじゃねーな!メバルか?
でも、メバルでもないぞ!
オイ!名を名乗れ!と暫し魚に向かって独り言。
そう言えば、角上魚類のタテ短冊に違う名前書いてあるのを思い出しました。
オイ!名を名乗れ!
と、話しかけながら喋らないのでこうしました。
身はプリっぷりのメバル系。
箸で突き熱燗をグビリとしながら、また問いかけます。
お前、カサゴじゃないな!
でもメバルでもな~い!
お前は誰だぁ!
食べ終わった後、ネットで暫し調べて同じ顔を見つけ出したのです。
【柳の舞】〈カサゴ科メバル属ヤナギノマヒ〉
君は風情ある名前だのう。
美味しいお魚と出会いました。
君のお陰で飲み過ぎた