医大生・たきいです。

医大生的独言。

ひと夏のクワガタの思い出

2012-06-25 23:53:02 | 人気記事

昼飯で学食に行ったら、看護学部の女の子から


「あれっ、痩せた?(・o・)」


と言われてテンションが上がりました(笑)。気分上々↑↑であります。だけれども体重はむしろ増えております(笑)。筋肉で宮城の医療の谷間に灯をともしたい。御国の為に尽くすべし。医大生・たきいです。


さて、授業が終わりだらだらと寮に帰れば、ラウンジのソファに豪快に横になるしかない。女子ラから丸見えだろうが、かかることは気にしない。そんな風にぐったり休んでいると、なんとなくR2-D2に似ている少年が楽しげにこちらへ走ってきた。なにやら手を握っている。


「じゃーん」


と掌を開けば、そこには「黒い稲妻」の異名をとるあやつの如き影がちらつく。まさか「御器齧り」が語源だとかいう奴がいるのか。恐れおののく。だけれども、その少年も「それ」を持ちながら笑顔であるはずがあろうか。勇気をだして彼の掌を覗けば、立派な角を持つクワガタ君のお出ましである。ずいぶんと久しぶりに見た気がする。幼少のころからクワガタは好きだった。カブトムシよりも断固としてクワガタ派である。

あれは、小学生の夏休みのことだったであろうか。旅行好きの我が家が訪れたのは、山形県の出羽三山のうちの一つ、羽黒山であった。五重塔が有名だが、浪人生時代、受験勉強の合間に日本史の資料集を見て遊んでいたら平将門が造ったとあって、ひどく驚いた記憶がある。そんな羽黒山は長すぎる石段もよく知られている。碌にガイドブックも読まずに長すぎるなんて一切知らない我が家は軽い気持ちで石段を登りに行った。

軽い気持ちで乗り越えられるような壁では決してなかった。いつまで経っても終わりが見えない石段は丸刈り坊主の意識を朦朧とさせた。
「終わりにしてもいいんだよ」
なんて母親に言われようが、そんな誘いに乗るわけにはいかぬ。日本男児は諦めぬ。母親が休みたいだけに違いない。必死に気持ちを立て直しながら石段をひたすら歩き続ける。

ふと横を見れば、地元の少年グループが勢いよく石段を駆け上がっていった。思わず目を疑った。そんな集団は不意に立ち止まった。百戦錬磨の集団とはいえ、石段は険しい道のりなのだろう。だけれども、疲れを一切感じさせない明るい声で「あっ!」だなんて高校生くらいの男の人が言っている。激しく興味を覚えた丸刈り坊主は恐る恐る近寄って行った。最近「子供の科学」に書いてあった「ツチノコ」で見つかったのか。

高校生の手には、手にギリギリ収まるサイズの「ミヤマクワガタ」がいた。仙台の自宅周辺でも「コクワガタ」なんかはとれたが、本物の「ミヤマクワガタ」は見たことがなかった。図鑑で何度も見たミヤマクワガタと同一の容貌だ。激しく感動した。思わず驚嘆の溜め息が出ていたに違いない。

すると、その高校生は丸刈りの少年の手をそっと持ちあげ、ミヤマクワガタを渡してくれた。

「あげるよ少年」

だなんて言われて、ほとんど放心状態だった。高校生の隣にいた弟らしき男の子が泣きそうになっていたので、返そうとしたのだが、高校生は石段を駆け上がって行ってしまう。ミヤマクワガタは丸刈りの少年の疲労を根こそぎとって、石段を駆け上がらせそうだった。ミヤマクワガタは宝石だったのである。





(今晩の晩ご飯は回転寿司に行ってしまった人(笑))




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