えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第5章 放射線治療 28.

2007年08月05日 | 乳がん闘病記
28.
 そんなふうに、目に見える部分、見えない部分両面で、少しずつ放射線照射の副作用を感じながらノルマをこなしていく日々にも、良いことがあった。治療が半ばにさしかかる頃、待ち時間に治療仲間と会話するようになったのだ。同じ時間帯に複数の同じ患者が治療に来るので、自然と顔見知りになった。
 中でも、母の年齢に近いMさんとはよく顔を合わせた。彼女は初期段階で発見でき、別の病院で手術を受けたが、そこで放射線治療ができないのでこの病院を紹介されたとのこと。高齢である上、通院が大変なので、入院させてもらっていると言う。照射はほんの少しの時間ですむので、あとは暇を持て余しているとか。同室の患者さんたちとおしゃべりするか、趣味の編み物をして過ごしているとのこと。

 彼女の話で印象的だったのは、彼女が自分の病気や病状について何も調べていず、すっかり医師に治療を任せていることだった。それはそれでのんびりしていていいのかもしれないと最初思っていたが、そうでもないことがだんだんわかってきた。つまり、何もわかっていないことに対する漠然とした不安に、いつもつきまとわれているらしいのだ。特に、よく勉強している同室の患者さんたちの話を聞くと、何も情報を持たない自分はそれに振り回されて不安になってしまう、と言うのだ。「聞くと不安になるから、そういう話にはなるべく耳をふさいでいるの…」と言う。
 発病以来、とかく「あれこれ調べ過ぎじゃない?」と妹に揶揄されていた私は、やはり主体的に自分の病気と向き合う大切さに改めて気づかされた。もちろん、過ぎたるは及ばざるがごとし、だけれども…。

 私やMさんは病状が軽いので照射は標準回数ですんでいるが、そうでない人にも出会った。やはり手術をした病院では照射できず、遠くから通院してきているという女性は、標準より3回多い28回の照射予定だと言っていた。毎日照射の後仕事に行っているとも。
 また、別の女性で、手術前に化学療法を受け、標準より多い照射を終えた後、再び化学療法に臨む予定だと言う人もいた。みんなそれぞれ懸命に治療に取り組んでいる姿が見えて、とても励みになった。

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