(↑ 「奈良ばい」谷戸の入口にて撮影)
月が替わってすぐ、町田市の里山を2回に分けて歩きました。このブログで何度か紹介してきた小野路や図師の谷戸ですが、これまでは収穫時期の水田を目当てに歩くことが多かったのです。今回、久々に芽吹きの季節のど真ん中に歩き、美しさに目をみはりました(*^▽^*)
その美しさとスケール感を画像でどれくらい伝えられるかわかりませんが、gooアルバムで紹介します。ついつい枚数が多くなりましたが、最後までおつき合いくださると嬉しいです。
春の里山2021 ~町田の谷戸巡り 奈良ばいと東谷戸~
(★画像は59枚あります。★バーの左下の<三角マーク>をクリックすると、スライドショーが始まります。手動で送るときは、画像上の左右にある<三角マーク>をクリックしてください。★バーの右下の<拡大/縮小ボタン>をクリックすると画像が大きくなり、同ボタン or Escキーで元の画面に戻ります。★コメントは全部にはついていません。★撮影日は2021年4月1日です。)
ご高覧お疲れさまでした。長々と最後までおつき合いくださり、ありがとうございましたm(__)m
今回の散策でまず印象的だったのは、アオダモ(青梻)の花の美しさです。満開の白花の楚々としてふんわりとした雰囲気は、雑木林に明るさと気品をもたらしますね。因みに、白花なのに青梻といわれる理由を調べてみると、Wikipediaにはこうありました。「雨上がりに樹皮が緑青色になること、枝を水に浸けて暫くすると水が青を帯びた色になること、高級感を出すために黒墨に加えて青墨を作るための着色剤として利用されたこと、青い染料に利用されたことなど諸説ある。」
【後日追記】(2021.4.11) -----------------------------------------
ずっとアオダモだと思っていたのは、実はマルバアオダモだとわかりました。両者の違いについてこちらの別記事で解説しています。よろしければご参照ください。-----------------------------------------end
さらに印象的だったのは、日本タンポポ(在来種)の群生です。最初に群れを見つけたとき、日頃見慣れている西洋タンポポにはない印象を感じました。全体的にあっさりしているといいますか、楚々としているといいますか…。ひょっとして…と花の根元を覗き込むと、予想どおりで、思わず「やっぱり日本タンポポだ!」と叫んでしまいました(^^ゞ 都会で見かけるのはほとんど西洋タンポポ(外来種/帰化種)だからです。因みに、在来種と外来種の見分け方は、花の基部を包んでいる総苞片が反り返っているかどうか(反り返っているのが外来種、反り返っていないのが在来種)です。
周りのものも手当たり次第覗き込んでみましたが、全部同じ...。さらに、タンポポの群生を見つける度に同じことを繰り返しましたが、ことごとく日本タンポポだったのです。日本タンポポの群生なんて珍しいと思って調べたところ、群生する理由があるのですね。両種の特徴や生存戦略なども興味深いので、少し長くなりますがWikipediaより引用します。
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在来種は外来種に比べ、開花時期が春の短い期間に限られ、種の数も少ない。また、在来種が種子をつくるためには、他の株から花粉を運んでもらって実を結び子孫を増やす必要から、同じ仲間と群生している。一方で外来種は、一年中いつでも花を咲かせ、かつ一個体のみで種子をつくることができるため、在来種に比べて小さな種子をたくさん生産する。夏場でも見られるタンポポは概ね外来種のセイヨウタンポポである。
(中略)
日本における分布は、人間が土地開発を行った地域に外来種が広がり、在来種は年々郊外に追いやられて減少しつつある。より個体数が多く目に付きやすいことから、「セイヨウタンポポが日本古来のタンポポを駆逐してしまった」という印象を持たれるが、実際には誤りであることは、在来種の生き方から理解されている。
セイヨウタンポポは在来種よりも生育可能場所が多く、かつ他の個体と花粉を交雑しなくても種子をつくることができる能力を持っているため繁殖力は高いが、相対的に種子が小さくて芽生えのサイズも小さくなるため、他の植物との競争に不利という弱点を持っている。そのため、他の植物が生えないような都市化した環境では生育できるものの、豊かな自然環境が残るところでは生存が難しくなる。
在来種はセイヨウタンポポよりも種子をつける数が少なくなっても、大きめの種子をつくる戦略を選んでいる。また、風に乗って飛ばされた種子は、地上に落下しても秋になるまで発芽しない性質を持っている。在来種が春しか花を咲かせない理由は、夏草が生い茂る前に花を咲かせて種子を飛ばしてしまい、夏場は自らの葉を枯らして根だけを残した休眠状態(夏眠)になって、秋に再び葉を広げて冬越しするという、日本の自然環境に合わせた生存戦略を持っているからである。
-------------------------------------------------copy (※文中の太字化はブログ管理人によります。)
なるほど、自然豊かなこの里山地区だからこそ、西洋タンポポが逆に生きにくく、結果として日本タンポポが多いのでしょうね。そして、日本タンポポの群生は珍しいどころか、群生しないと困る事情があるのですね。さらに、例に洩れず、私も日本タンポポが西洋タンポポに駆逐されたとばかり思っていましたが、そうでないことがこの解説によってわかりました。植物の自らの特性を活かした生存戦略、とても興味深いですね(*^_^*) そして、こういうささやかな発見を楽しむことができるのが、里山散策の醍醐味であります(^^)v
画像も解説も、長々とおつき合いくださり、ありがとうございましたm(__)m
次回は、その後歩いた同地域の別の谷戸の様子を紹介する予定です。お楽しみに!