10日ほど前のことになりますが、東京都立秋川丘陵自然公園内にある都立小峰公園(小峰ふれあい自然郷)を初めて訪れました。くだんのサイトより引用します:
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身近で豊かな自然と触れ合いながら、手軽にピクニックやハイキングを楽しめる野外レクリエーションの場として、整備されました。
公園は三本の尾根と二つの谷戸から成り、尾根のサクラ並木、雑木とヒノキの林や、谷戸の湿地や湧き水を利用した湿生植物園があります。ここでは、さまざまな野草や動物を観察できるので、ぜひ四季折々の自然の表情を感じてみてください。
また、入口のビジターセンターでは、園内の自然を紹介した展示や、解説員の説明を受けながらのスライド観賞、野外で自然と触れ合う体験学習も楽しめます。
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「春には桜尾根を中心に数百本のヤマザクラやソメイヨシノが咲く」そうで、桜の名所でもあるのでしょうか? 谷戸田では、ある生き物の恐るべき生態を垣間見ましたよ(^^ゞ
コラージュ画像で紹介します。
(★これより下の画像をクリックすると、大きな画像や別の画像が見られます。★リンクに別画像がある場合は、マウスオンするとその旨が表示されますが、ブラウザによっては読み込めない場合がありますm(__)m ★撮影日は2024年10月11日です。)
秋の里山 ~都立小峰公園で生き物観察~
「湿性植物園」の谷戸田や、桜並木が続く「桜の尾根」など尾根道を歩きました。
標高290mにある展望広場からは、奥多摩の山々(右上画像)や武蔵五日市駅方面が望めます。
湿地や尾根道で見かけた野草。湿地にはミゾソバ(下段中央)やツリフネソウ(下段右端)が群生していました。キバナアキギリ(中央)が尾根道沿いに点々と咲いているのが印象的でした。
なお、Wikipediaによると、ゴンズイの名の由来には、材が役に立たないため、同様に役に立たない魚のゴンズイ(権瑞)になぞらえたという説など、諸説あるようですが、植物学者の牧野富太郎氏はこの魚のゴンズイ説を採った、とあります。詳しくはくだんのサイトをご覧ください。
クロコノマチョウ(黒木間蝶)の♀だと思います。秋型でしょうか?
くだんのサイトに「静止時に翅を開かないのはジャノメチョウ科らしい点である」とあるように、飛翔時に表翅を撮るしかないのですが、それは叶わず残念でした。読んで字のごとく、表も裏も黒っぽくて樹々の間や根元にひっそりといるので、静止時にはまるで枯れ葉のようで、目につきにくいです。
ツリフネソウで吸蜜しているのは、蛾の仲間のホシホウジャクだと思われます。ホウジャク(蜂雀)については、こちらの過去記事をご参照ください。
さて、こちらがこの日のハイライト?!
谷戸の池で多数見かけたカマキリたち(ハラビロカマキリでしょうか?)。まず最初に、中段左端の個体に目が留まりました。何せ、逆さになって水面をじぃ~っと覗いているような体勢で、しかも何分経っても微動だにしないのです!?
そのうち、池の周りにも水面にも多数の個体がいることに気づきまして。あるものはヨタヨタと夫の足元に近づいてくるような...あるものはまるで水面を泳いでいるような、もがいているような(上段&下段)...あるものは近くに浮いている枝によじ登ろうとしているような(中段中央)...さらに、目の前で飛び込むものまでいるではありませんか!
ひょっとしてカマキリは水が好きなのかと思って調べたところ、こんな記事(2021年の朝日新聞デジタルの記事)を見つけました:
「カマキリを水に飛び込ませる寄生生物、仕組みの一端解明」
少々長くなりますが、リンクがいつ切れるかわからないのでここにも貼りつけます:
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【青森】昆虫の寄生生物「ハリガネムシ」が、カマキリの行動を操作して川や池に飛び込ませる仕組みの一端を、神戸大学や弘前大学の研究グループが解明した。ハリガネムシに寄生されたカマキリは、水面の反射光に多く含まれる特定の光に引き寄せられて、水に飛び込むと考えられるという。
ハリガネムシは、寄生したカマキリなどの昆虫を水に飛び込ませて水中で産卵する。しかし、寄生された昆虫がなぜ、川や池に引き寄せられるのか、その仕組みはわかっていなかった。
研究グループによると、これまでは寄生されたカマキリなどが反射光の明るさに引き寄せられると指摘する研究者もいた。しかし光沢のある葉など、光を反射するものは水面以外にもたくさんあり、宿主の行動をうまく説明できなかったという。
弘前大大学院理工学研究科の岩谷靖准教授らのグループは、水面の反射光に多く含まれ、昆虫が見分けているとみられる「水平偏光」と呼ばれる光に注目。通常の光と水平偏光のどちらに引き寄せられるか調べた室内実験では、寄生されていないカマキリに比べて寄生されたカマキリが水平偏光に近づく確率が高かった。また、屋外に造ったそれぞれの光を出す二つの池の実験でも同様の結果が得られた。
これらの実験から、ハリガネムシは水平偏光を感じるカマキリの能力を操作して、宿主の行動を引き出しているとみられるという。研究成果は米科学誌に掲載された。研究グループは、ハリガネムシが行動を操る仕組みやカマキリが水平偏光を見る仕組みについても調べる予定で、一連の研究が「動物の行動を制御する新たな仕組みの発見にもつながる」と期待している。
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ハリガネムシの成虫は、その名の通り針金のように細長い生物で、体長は大きいもので30センチを超えることもある。
水中で卵からかえった幼生はカゲロウなどの水生昆虫に寄生する。羽化して陸にあがった水生昆虫が、カマキリやバッタの仲間のカマドウマに食べられると、ハリガネムシはその体内で成長する。
成虫になったハリガネムシは、カマキリやカマドウマの行動を操って水に飛び込ませ、体内から脱出して水中で繁殖、産卵する。
今回の成果を発表した神戸大大学院理学研究科の佐藤拓哉准教授らのこれまでの研究では、水に飛び込んだカマドウマが渓流魚のエサとなり、イワナの年間エネルギー摂取量の6割を占めることがあるという。ハリガネムシの寄生が川や池の生態系に影響を与えており、その役割も注目されている。(林義則)
(※文中の太字化はブログ管理人によります。また、文中のリンクはオリジナル記事によるものです。)
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なんと、カマキリの奇行は寄生生物のハリガネムシの仕業だった?!w(☆o◎)w 逆さになって微動だにしなかったカマキリは、ハリガネムシに操られて水平偏光に引き寄せられていたのですね(^^ゞ ハリガネムシの複雑かつ巧妙な生存戦略に驚かされましたw(☆o◎)w
さらに、こんな動画もありました:「採れたカマキリのハリガネムシ検査したらこれまでにないハリガネムシが出てきました。」
(※後半にグロテスクな場面がありますので、勇気のない方はご覧にならない方がよいかもしれません(^^;)
カマキリは共食い(特に交尾中の♀が♂を食べる種類がある)したり、鳥(特にハチドリ)を食べたりと、獰猛な印象がある一方で、食物連鎖の一環としてハリガネムシに寄生されることもあるのですね。里山ならではの、でも残酷な現実を垣間見ました(^^ゞ
ここからはおまけ...
小峰公園の展望広場からズームで撮った御岳山(一番背後に見えている山)。野の花が好きだった亡き父が、レンゲショウマをよく撮りに行っていました。私もお供したことも...。御岳山やレンゲショウマについて次の過去記事で紹介しています。よろしければそちらもどうぞ:
「初夏のパワースポット2011 ~御岳山~」
「初夏の御岳山2013 ~ツツジ彩る山~」
「ステンシルの花 ~夏~」
さらにおまけ...
公園の近くに見つけたギャラリーカフェ「LANKA」でお茶しました。
このときは地元の田中六郎氏の油彩画が数点飾られていました。趣味でほぼ自己流で描いてきたという絵の話、旅の話などに耳を傾けて過ごしたところ、帰り際にドリンク割引券をくださいました。元々相場より安いケーキセットが半額近くに...(^^)v 私たちの前に会計した方は正規価格を払っていたので、私たちにいただいたのは”傾聴代”?!
帰途に寄った「道の駅 八王子滝山」で求めた食品。
[左] やまぶしたけ(山伏茸)は初めてお目にかかりました。キムチ鍋に入れて食しました。味にクセがなく、傘が細かく切れているので味が沁み込みやすく、また手に入れたいと思いました。
[右] 「栃の実 折り餅」。栃の実のペーストを練り込んだ求肥で小豆の粒餡を包んであります。以前、神奈川県川崎市にある生田緑地で栃の実大福を食したことがありますが、大福の求肥を薄くした感じで美味しかったです。
自然界には、地球上の生態系のトップにいる人類の想像を超えることが沢山あるのでしょうね&便所コオロギの異名があるカマドウマを、実家のトイレで昔よく見たtakuetsu@管理人でした(^^ゞ
でも実際に見たことは無いです。
それにしてハリガネムシはどうやってこういう生き方に辿り着いたのか
(?_?)
※東京都立秋川丘陵自然公園
立川にあるのかと勘違い。
長野県人目線だと立川駅から直ぐ近くですけど(^^;
そうですか、TV番組で紹介していたのですね。私たちは初めて知りました。「ガリレオX」も見たことがなく...(^^;
おっしゃる通り、ハリガネムシの生態は複雑怪奇で、どういう進化?の過程を経たらそういうことになるのか、まさに神秘ですよね。何も、そんなまどろっこしいことしなくても...と思いますが、何か理由があるのでしょうね。
>立川にあるのかと勘違い。
東京在住の経験があって立川をご存じだからこその勘違いですね。
>長野県人目線だと立川駅から直ぐ近くですけど(^^;
長野は広いですものねぇ。
先日、7月に行き損ねた湯田中温泉の場所を調べていて、佐久はほとんど秩父だなと思ってしまいました(^^;