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23日午後7時から約2時間、広島の第4回日本の誇りセミナー(歴史人物講座)で熊沢蕃山先生の生涯と言葉について講義を行った。第1回から連続して参加して熱心に受講してくれている参加者も多数居り、毎回新しい参加者も居て、世代を超えて先人の生き方に触れて自らを生き方を正しているようである。
今回も初参加の青年が居たが、「心を磨く」という言葉に関心を抱いていた。懇親会の席で「人は食物を食べて身体の栄養にしているが、心の栄養を摂るには多くの素晴らしい言葉を自らのものとするしかない」旨を話したら、非常に感動してくれていた。
熊沢蕃山先生は、自らの心の有り方を見つめる為に、「小人の特質十一か条」「君子の特色八か条」を記して学舎の壁に貼り、常に自らを省みられていた。その内容は前回のブログで紹介しているのでそれを読んで欲しいが、心を磨く事を教わって来なかった戦後教育世代にとっては、信じられないような厳しい内容である。だが、参加者の一人が語っていたが、少年時代に素直に信じていた「人の有り方」はこの君子の様なものだったのである。
講義では、蕃山先生が何度も幽閉されたり追放されたりしながらも、心の平安と自らの使命を決して失われなかった事や、最晩年に幕府に対して厳しい内容の建白書(「大学或問」の原文だろうと言われている)を出された、「日本の為」の已むに已まれぬ思いについても学んで行った。
この建白書が出されたのは、貞享3年(1686年)蕃山68歳の時だが、蕃山は「だったん(清国)」の日本襲来を憂えて内政の早急なる改革を幕府に進言したのである。清が明に侵入し出したのが1636年、清の中国支配が1644年から、明が滅亡したのが1662年、台湾に渡った鄭氏が降伏したのが1683年、1658年には鄭成功が日本に援助を求めている。お隣の中国大陸の国家の興亡が熊沢蕃山をして、清の日本来襲を予想させ、幕府への生命を賭した提言となったのであった。この時代に国防意識を強く抱いていた蕃山先生の姿に参加者は感銘を受けていた。
中国大陸に於ける、明の滅亡は、朝鮮では「小中華」意識の昂揚を見るが、日本では、日本文明に対する自覚と目覚めを生み出し、この時期に熊沢蕃山・山鹿素行・山崎闇斎という日本を強く自覚した儒学者を輩出し、更には水戸光圀による修史事業とその庇護下での国学の芽生えを生み出している。これらの思想の目覚めが幕末期の尊皇攘夷思想の萌芽となったのである。
次回のセミナー(第5回)は12月14日(金)の午後7時から、5回連続シリーズの最終回となる。人物は西郷南洲。今年は西郷先生歿後130年に当る。これから2ヶ月間私自身も日々西郷先生と向き合ってセミナーの講義に臨みたい。
今回も初参加の青年が居たが、「心を磨く」という言葉に関心を抱いていた。懇親会の席で「人は食物を食べて身体の栄養にしているが、心の栄養を摂るには多くの素晴らしい言葉を自らのものとするしかない」旨を話したら、非常に感動してくれていた。
熊沢蕃山先生は、自らの心の有り方を見つめる為に、「小人の特質十一か条」「君子の特色八か条」を記して学舎の壁に貼り、常に自らを省みられていた。その内容は前回のブログで紹介しているのでそれを読んで欲しいが、心を磨く事を教わって来なかった戦後教育世代にとっては、信じられないような厳しい内容である。だが、参加者の一人が語っていたが、少年時代に素直に信じていた「人の有り方」はこの君子の様なものだったのである。
講義では、蕃山先生が何度も幽閉されたり追放されたりしながらも、心の平安と自らの使命を決して失われなかった事や、最晩年に幕府に対して厳しい内容の建白書(「大学或問」の原文だろうと言われている)を出された、「日本の為」の已むに已まれぬ思いについても学んで行った。
この建白書が出されたのは、貞享3年(1686年)蕃山68歳の時だが、蕃山は「だったん(清国)」の日本襲来を憂えて内政の早急なる改革を幕府に進言したのである。清が明に侵入し出したのが1636年、清の中国支配が1644年から、明が滅亡したのが1662年、台湾に渡った鄭氏が降伏したのが1683年、1658年には鄭成功が日本に援助を求めている。お隣の中国大陸の国家の興亡が熊沢蕃山をして、清の日本来襲を予想させ、幕府への生命を賭した提言となったのであった。この時代に国防意識を強く抱いていた蕃山先生の姿に参加者は感銘を受けていた。
中国大陸に於ける、明の滅亡は、朝鮮では「小中華」意識の昂揚を見るが、日本では、日本文明に対する自覚と目覚めを生み出し、この時期に熊沢蕃山・山鹿素行・山崎闇斎という日本を強く自覚した儒学者を輩出し、更には水戸光圀による修史事業とその庇護下での国学の芽生えを生み出している。これらの思想の目覚めが幕末期の尊皇攘夷思想の萌芽となったのである。
次回のセミナー(第5回)は12月14日(金)の午後7時から、5回連続シリーズの最終回となる。人物は西郷南洲。今年は西郷先生歿後130年に当る。これから2ヶ月間私自身も日々西郷先生と向き合ってセミナーの講義に臨みたい。
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