体が不自由になってひとりでは暮らしていけない老人が 一緒に暮らしていた孫と自分を引き取って欲しいと頼むためにあまり交流のない兄弟たちの元を訪れることになります。
その孫との4泊5日の旅を淡々と描いていきます。
19歳の春は北海道の海辺の町で祖父と暮らし、小学校の給食の配膳の仕事をしていたが学校が廃校になり失業。
思わず 一緒に暮らしている祖父忠男に 自分は都会に出て仕事を探すから祖父は兄弟たちに面倒を見てもらえないか、と話してしまう。
忠男は荒々しく家を飛び出し、それに続く春。
そして兄弟たちの元を次々と訪れるがそれぞれに事情がり 忠男を引き取ってくれる兄弟はいなかった。
しかし、忠男と兄弟たちの交流を見ていて急に母と離婚して別れ別れで暮らしていた父に春は会いたくなり父を訪ねる。
そこで、父の再婚相手から「一緒に暮らしましょう。」と声をかけられるが・・・・
この映画は「順撮り」という方法で撮影されたそうです。
これは物語の進行どおりに映画を撮影していくという手法だそうで そのためでしょうか、最初は偏屈で嫌なおじいさんだな、と思えていた忠男がどんどん魅力的な海の男に見えてきました。
映画を観る前から きっと兄弟たちには断られるだろうな、と想像はしていたのですが 兄弟たちは意地悪で忠男を引き取らないといっているわけではなく それぞれの事情を抱えながら一生懸命生きていたのです。
忠男と兄弟たちの不器用な会話が心を打ちます。
それにしても豪華すぎるキャストでした
映画のエンドロールに出てくる順番、どうするのかしら?と心配してたらなんと登場順になっていました
春役の徳永えりさん、ものすごい俳優さんに囲まれながらも すごい演技で圧倒されました。 彼女は『フラガール』で主人公の友人役を演じていましたね。 その時も薄幸だけど健気に生きていく役で とても強い印象が残っています。
鑑賞後にず~んと響いてくる映画です。
ぜひご覧ください。