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企画、主役の原田芳雄さんの葬儀が執り行われていた頃、私は映画館で彼の遺作『大鹿村騒動記』を満員の会場で観ていました。
ちょっと前に映画館の予告編でこの映画を観て 観に行こうかな、と思っていました。
でも、その時は誰が出演しているのか全然分かっていませんでした
(なにしろ歌舞伎の扮装姿だったので・・・)
5日後に歌舞伎の公演を控えている大鹿村に ひとりの若者がやってきた。
彼は誰も自分のことを知らない場所で自分に向き合いたくて・・・
同じ頃、18年前に駆け落ちしていた料理店『ディアイーター』の主人、善の妻、貴子と幼馴染の治が大鹿村に戻ってきた。
貴子は脳の病気で記憶がどんどんなくなってきて治のことを善さん、と呼んだりしている。
介護に疲れた治は「返すよ。」と言って貴子を連れてきた。
あきれ果て怒る善だったが思わず「歌舞伎、観ていかないのか。」と治に声をかけ・・・
村の人たちが大切にしている歌舞伎の公演を軸に 主人公たちの思いが動いていきます。
おかしくて 物悲しくて ついついオトコってしょうがないわねえ、と笑ってしまうやさしい作品です。
大鹿村歌舞伎に魅せられた原田芳雄さんが企画された作品とのこと・・・彼の映画に対する情熱がすごく伝わってきます。
原田さんは「映画ってこんなにおもしろくて感激するもんなんだよ。」と私たちに伝えたかったのではないでしょうか。
そう、映画って すごく面白くて楽しくてステキなものなんです
ステキな映画を残してくださった原田芳雄さんのご冥福をお祈りいたします。