人に災いを為すものを祓う一族の長すじの夫和弥は 勤務する大学の教授から娘と結婚して欲しいと言われ、結婚した。
教授から娘にはちょっと変わったところがあるが、と言われていた。 ある日仕事から戻ってくると妻は猫になっていた。
幼馴染の泉水と 次々に災いを為すものを祓っていくが 何か祓おうとする時に妻は猫になり和弥を助けてくれる。
しかし、本人には猫になった自覚はないようで・・・
『東京バンドワゴン』の作者の作品です。
『東京バンドワゴン』は読んでいくと 登場人物の表情が浮かび、あれこれ想像しながら楽しく読むことができたのですが この作品は 『東京バンドワゴン』とは まるで毛色が違います。
とても不思議な物語ですが ファンタジーという感じでもありません。 本の帯には「穏やかで不思議な世界」と書かれていましたが 不思議だけど穏やかではないなあ、というのが私の感想です。
もしかしたら 小路さんは この作品で思いっきり 好きな世界を描こうとされたのかもしれません。
一生懸命読んでいくのですが 時間の進み方が一定ではなかったり場面が急に飛んだりして イメージするのがなかなか難しいお話でした。
でも、つまらなかったのか?と尋ねられると そうでもないのです。
最初から最後まで 不思議な感覚のお話でした。