「ふくしま子供疎開裁判」 をご存じですか?
― 私たちが、今、しなければいけないこと。できること。 ―
それは、子供たちをできるだけ安全な環境で育てることです。悲しく、つらいことですが、福島県郡山市の子供たちは、原発事故があった昨年の3月11日から8月までの僅か5ケ月間で、7.8~17.2mSvの放射線を被爆したと推定され、今も、毎時約0.3μSvという高い放射線量のなかでの生活を余儀なくされています。けっして、子供たちが安心して生活ができる状況ではありません。(チェルノブイリでは、年間5mSvで強制避難地域になります。また、日本でも原発事故の前まで、国民に1mSv以上の被ばくをさせてはならないと法律で決まっていました。)
そこで、郡山市の14人の小、中学生のご両親らが郡山市を相手に、
「年間1mSv以下の安全な場所で教育を受けさせろ。」という仮処分を起こしました。「国や自治体は、避難を希望する子供たちの費用を負担しろ!」 「避難することを罪悪視するような行政はやめろ!」 という要求です。莫大なお金がかかる割には効果のみえない除染より、まずは、避難という方法で、子供たちの安全を確実に守るということです。
ところが、郡山市も裁判所郡山支部も、「100mSvを超えたら心配しましょう。いまは、注意すれば大丈夫。」という考えから、14人の申立を却下しました。そのため、現在、仙台高等裁判所で審理が続いています。
「ふくしま集団子供疎開裁判」
(fukusima-sokai.blogspot.com/)
この裁判には、国内の専門家だけでなく、外国からもチェルノブイリ原発事故の被害者救済にかかわった放射線医や内科医、小児科医らが多数、支援、協力しています。その理由は、放射線被害には、不明な点が多いこと、福島の汚染度はチェルノブイリと比較しても無視できない数値となっていること、健康被害の発生は取り返しのつかない事態を招く恐れがあること等からですが、現実の問題として、本年4月26日に発表された福島県下13市町村の3万8000人の子供の甲状腺検査では、35%の子供にのう胞が発見されています。この数値は、山下俊一医師(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)が、以前、長崎県の子供たちを検査した結果(0.8%)や、チェルノブイリの子供たちの検査結果(5~10年後で0.5%)と比較してみると、決して見過ごすことはできないものです。この事実がアメリカで報道されるや、アメリカの甲状腺専門医の間でも話題となりました。「一体、何があったんだ。日本人は、この結果を心配しないのか・・・」と。
知らぬがホトケの日本の市民は、情報を求め、正しく反省し、正しく怒り、正しく行動することをどこかに置き忘れています。3.11までに私達がやってきたことを思い返し、被災地の現状を知れば、まず、最初にやるべきことは、罪のない子供たちの安全を、絶対に、確実に守ることです。そのための裁判です。
どうか、皆さんの声を、「人権の砦」である
裁判所に届けてください。
裁判の詳細をお知りになりたい方は、ブログをのぞいて下さい。知りたい
情報、意外な情報が満載のご意見箱です。
ふくしま集団疎開裁判ブログ
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