十六夜の月の下を、岡山18時52分発の南風号が宇多津丸亀を過ぎて南進し始めると、まんまるい月が車窓の高いところに上っていて、雲も星もない月だけの空を見上げました。
この週相次いで、90歳の老女と47歳の従姉妹の骨を骨壷に収めました。
老女は妻や私の子どもたちが大変世話になった家族同然の人で、老衰で穏やかに臨終を迎えました。お顔は安らかで化粧のりも美しく、お気に入りの萌黄色の着物を着せてもらいました。お骨は、驚くほど少なく晩年大腿骨を骨折したときのボルトだけ形がはっきりしていました。
東京に居た従姉妹は、今年2月白血病であることがわかり、ドナーの適合者もたくさんあり本人も家族も退院できるものと信じて身内にも知らせないまま、体調が戻らず肺炎をおこし亡くなりました。髪の毛がなくなり、子どもの頃の丸顔にもどり闘病中の帽子をかぶった様子は懐かしいお地蔵さんのようでした。骨はまだしっかりしていていずれも形が明確で、「のどぼとけ」は「仏さんが座禅を組んだ」形のものが残っていました。一人子同士が結婚して、出来た一人子はまだ13歳。
90年の往生と47年の生涯、比べてみてもせんないことかもしれません。
女(ひと)二人 十六夜の月に 上りたる
この週相次いで、90歳の老女と47歳の従姉妹の骨を骨壷に収めました。
老女は妻や私の子どもたちが大変世話になった家族同然の人で、老衰で穏やかに臨終を迎えました。お顔は安らかで化粧のりも美しく、お気に入りの萌黄色の着物を着せてもらいました。お骨は、驚くほど少なく晩年大腿骨を骨折したときのボルトだけ形がはっきりしていました。
東京に居た従姉妹は、今年2月白血病であることがわかり、ドナーの適合者もたくさんあり本人も家族も退院できるものと信じて身内にも知らせないまま、体調が戻らず肺炎をおこし亡くなりました。髪の毛がなくなり、子どもの頃の丸顔にもどり闘病中の帽子をかぶった様子は懐かしいお地蔵さんのようでした。骨はまだしっかりしていていずれも形が明確で、「のどぼとけ」は「仏さんが座禅を組んだ」形のものが残っていました。一人子同士が結婚して、出来た一人子はまだ13歳。
90年の往生と47年の生涯、比べてみてもせんないことかもしれません。
女(ひと)二人 十六夜の月に 上りたる