秩父山中の小林老夫婦は、耕すことが出来なくなった畠に花木を植え「山に帰す」ことにした。
植えた桃や桜、秋の紅葉は一万本を越える。
「畠を山に帰せば、安気だ。」
月日は経ち、夫が先立つ。
「呆気ないねえ、人生は。」
ムツばあさんも山を下り、なくなる。
山は、春花が咲き、秋色づく。
ムツばあさんも、花だったんだ。
もう彼岸が近い。
植えた桃や桜、秋の紅葉は一万本を越える。
「畠を山に帰せば、安気だ。」
月日は経ち、夫が先立つ。
「呆気ないねえ、人生は。」
ムツばあさんも山を下り、なくなる。
山は、春花が咲き、秋色づく。
ムツばあさんも、花だったんだ。
もう彼岸が近い。