ウィークエンドシネマ キネマMで「砂の器」を見た。
泣いてしまった。

最初に映画館で見たのは、1974年に高知を離れて大学に行った年だったと思う。
その内容に驚いて、LPを買い、VHSを買い、松本清張の小説を読み(残念!)
テレビでも見て、私にとって「映画とは砂の器」と言うべき。
最近は家にだれもいないとき、静かさがしみわたるような刻限に動画を鑑賞するようにしている。
デジタルリマスター版を、映画館のスクリーン一杯で見せてもらう。
話の筋は全部知っているのに、涙がこぼれてしまう。
次に何が起こるか知っているのに、こみあげてくるものがある。
映画「砂の器」を観ているのではなく、映画「砂の器」に私が見抜かれている。
父親との関係、生活の在り様、生き方、生まれてきたこと、それでいいのかしら。
1974年に最初に観たときも、何かそんな印象をもった。
40年経って、また見られてしまった。
大団円の舞台での演奏が終わり、
美しい旋律や鳴りやまない拍手ではなく、
ドーンという不協和音がうなって映画全編が終わる。
そんなこと砂の器。
http://www.kinemam.com/movie/o-movie/1411