特別展「花森安治『暮しの手帖』の絵と神戸」
神戸ゆかりの美術館に行き、花森安治の展示を見た。
花森安治の絵、というと暮らしの手帖の表紙と思われる。
しかし、この展示の主眼は絵ではなく、
むしろ「暮らしの手帖」誌面に寄せられた各界の人から寄稿、
その内容に依るところが大きい。
戦中、花森は大政翼賛会に属していて、宝塚の劇の台本を書いたりしていた。
戦後、東京にいて出版に関わるようになる。
往時の「暮らしの手帖」は、戦後の新しい生活の先端に居た。
寄せられる話題は多岐にわたるが、その視点は今までにないもの。
花森は、有名な商品テストや、取材もの、各地の特集などを展開していく。
ちょうど今のSNSのような、視点と立ち位置だったに違いない。
「暮らしの手帖」の表紙、記事、特集をながめながら、
この雑誌を楽しみにしていた母親のことを思い出した。
お嬢さん育ちが、酒乱の医者と結婚させられ、
無理解かつ理不尽な義父母との間で苦労を重ねた。
NHK「夢で逢いましょう」と「暮らしの手帖」の中でしか、
心休まらなかった、ように思い出される。
展示の最後のコーナーは、
1983年の神戸の街を、花森が16ミリフィルムで撮影した動画で終わる。
どこからここまで来て、
ここからどこまで行くのかしら。
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初代編集長 花森安治 http://www.kurashi-no-techo.co.jp/hanamorisan/sp/