ガンバレ、ニッポン

なんか、不安定なニッポンですね。

彭帥さん問題でドイツ選手団体がIOCに圧力! 日本のアスリートたちは追随できるのか

2021-12-09 07:41:53 | 国際
彭帥さん問題でドイツ選手団体がIOCに圧力! 日本のアスリートたちは追随できるのか

沈黙を通すのか。
米国のバイデン政権は6日、新疆ウイグル自治区で継続中の大量虐殺や非人道的な犯罪行為などの人権侵害を理由に、来年2月の北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明した。これを受けて岸田文雄首相は7日午前、「我が国の対応ですが、五輪の意義ですとか、さらには我が国の外交にとっての意義などを総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断していきたいと思っています。これが我が国の基本的な姿勢であります」と語った。
外交的ボイコットについては、自民党の保守系グループが岸田首相に“表明”を求めたが、日本政府が米国と同じ判断をすれば、国内外からは「同盟国の米国に追随しただけ」と言われるだろうし、何も行動を起こさなければ「人権問題を無視するのか」と批判されるのは必至。難しい決断を迫られているわけだが、アスリートたちもこの問題に背を向けてはいられなくなった。
ドイツのトップ選手らが組織する団体「アスリート・ドイツ」が6日、中国の女子テニス選手・彭帥の安否が懸念されている問題で立ち上がったからだ。バッハ会長らが彼女とテレビ会談を行ったことを発信した国際オリンピック委員会(IOC)に対し、彭帥が安全である証拠の提示と第三者機関による調査を求めた。
アスリートを守るためのこの団体は、IOCと彭帥の2度のテレビ会談について「この情報だけでは彼女が本当に安全なのか、検閲や抑圧されることなく自由に発言できているのか、証拠を示したとはいえない」と指摘。中国と香港で行われるすべての大会中止を決めた女子テニス協会(WTA)を支持し、IOCに「政治的、経済的配慮よりも選手の保護を優先するべきだ」と訴えた。
■日本のアスリートには暗黙のルールが
ドイツは前回の平昌冬季五輪でも金14個を含む31個(2位)のメダルを獲得しているウインタースポーツの強豪国だ。五輪まで2カ月を切ったこの時期に、IOCに対する不信感をあらわにし、選手の人権重視を強く求めた。その主張はまったくその通りだが、日本のアスリートはどう受け止めただろうか。
国内のある競技団体幹部は「このような動きは正直困る」と顔をしかめてこう語る。
「彭帥さんの問題を心配していないアスリートは皆無だと思います。ドイツ選手たちの主張も、もっともだと思うでしょう。これは選手の人権問題ですが、一方で米中の対立関係なども絡んでいる。日本のアスリートは政治的な発言を控えることが暗黙のルールになっているし、選手は国から多額の強化費がNF(競技団体)に渡っていることも知っている。東京五輪開催の賛否で国民が二分していたときもそうですが、国を刺激することはなかなか言えません。人権に対する意識が低いといわれるかもしれませんが、ドイツの選手組織と同じ主張や行動を求めるのは酷です」
沈黙は金メダルにつながるか……。