このカメラは、最初ジャンココーナーで見かけたとき、すごく普通なレンジファインダーカメラっていう印象で、かなり最近のカメラだと思いましたが、実際に手にとって良くみると・・なんだこりゃなカメラだったので購入しちゃいました。実際の発売年は印象よりも古くて1961年で十分アンティークカメラです。
諸元 | |
型式 | 35mmレンズシャッター式距離計連動・シャッタースピード優先式EEカメラ |
画面サイズ | 24×36mm |
標準レンズ | SE45mm F1.9 (4群5枚構成) |
シャッター | コパルSLV、1/500~1秒、B、セルフタイマー内蔵、BセットTリング使用でタイム露出可能、 |
シンクロ接点はMX切り替えドイツ型ソケット式 | |
ファインダー | 二重像合致式連動距離計と逆ガリレオ式ビューファインダーを光路内に一体化した一眼式、 |
ブライトフレーム式パララックス自動補正トリミング・マークファインダー、倍率0.67倍、 | |
視野下部にF1.9~F16までの絞り目盛り、その両側に内向きの矢印、メーター指針及び | |
EE連動範囲外警告赤○マーク付き(範囲外の時に視野内にでる) | |
露出計とEE機構 | セレン光電池式、クシ歯制御式シャッタースピード優先式EE、測光連動範囲=EV5~17、 |
1/8秒・ F2~1/500秒・F16(ISO100)、 フィルム感度使用域=ISO10~200、 | |
AUTO(EE)解除によるマニュアル露出可能 | |
フィルム装填・給送 | 裏蓋開閉スプール差し込み式、底部トリガー100度回転による1作動式 |
フィルムカウンター | 裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式 |
フィルム巻き戻し | 底部折り畳み回転クランク式 |
大きさと質量 | 140×78×64mm、700g |
キャノンミュージアムによる |
この個体のシャッターはちゃんときれるし、マニュアル露出で撮れるからフィルム入れて撮影できるはずです。
このCanonet、キャノンの歴史の中で大きな位置を占めてるんですよね。キャノンミュージアムには
「創業以来、高級35mmカメラを手掛けて来たキヤノンが、レンズシャッター式の中級35mmカメラの分野に参入した最初の機種。開発当初の試作機は、オーソドックスな形の35mmレンズシャッターカメラであった。 別に試作開発が 進んでいたEE機構の完成を待って、シャッターを押せば綺麗な写真が写せる、完全自動露出のシャッタースピード優先式EEへと方向を転換した。 高級カメラメーカーが手掛ける中級35mmカメラとの期待と、明るいf/1.9レンズ付きで2万円を割るとの予告情報から、カメラ業界は一斉に反発したが1961年1月無事に発売され、1週間分の台数が僅か2時間で完売という快記録を残し、キヤノネットブームが沸き起こった。2年半後実販累計100万台を記した。」
と書かれていますが、Canonet発売前に3機種一眼レフを出してるんですよね。日本の光学機器メーカーの多くが高級カメラの一眼レフ化の先陣争いを演じているなか遅れすぎたスタートで失敗感満載だったんじゃないですかね。やばいってことで、作ったおきて破りの高品質安価レンズシャッターのレンジファインダーカメラ。このバカ売れのおかげで非常に多くの弱小廉価カメラメーカーの多くが、消えていく速度に拍車がかかったんじゃと想像してしまいます。
天面はシャッターボタンとアクセサリーシューしかない超さっぱりな感じですね。底面から見ると、このカメラの変なところが満載です。そう、このカメラ普通のカメラを上下左右を逆にしたような構成なんですよ。フィルムも、右から左に送られるんです。巻き上げレバーが、底にあるのは、RICOH Jetに似てるかな?
シャッターボタンの周りのギザギザ環が緩くて回っちゃうんですが、まあ良しとしときます。
しかし、四角いよね。へんな構造の割には、面白みもユニークさもなんもないデザインですね。
天面のCanonetのロゴくらいかなぁ、いけてるのは。
巻き戻す際のレバーと巻き上げレバーです。フィルム巻上げ時は先端部を起こして操作し使わない時は出っ張らないように倒しておきます。
シャッターはCOPAL-SVを採用しています。赤いSVの文字の上のレバーがタイマーです。これを下に倒しておいてシャッターを切るとジーッと音がしてタイマー撮影できます。
お日様、雲、窓の絵文字付きです。
逆だけど、特に変わったとこはないですね。
裏蓋開ける機構が凝ってるんだけど使い難くてなんじゃこりゃです。左したのボタンを押しながらその上の四角いベロみたいなレバーを操作するんですよ。なんでこんなん操作し難い構造にしたのか意味不明。
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