臨時だけど先生になる夢を抱いていた主人公ゆきがおじいちゃんの田んぼを受け継ぐ決心をしたのは、卒業式当日に起きたあの大震災だった。
あの惨状を目の当たりにして、大半の人がこれからの生き方について考えさせられたと思う。
分岐点に立ち、目の前の整備されたまっすぐな道を進むのか、でこぼこで曲がりくねっているけど土の感触を踏みしめて進むのか。
しかし今では3.11は日本が立ち止まるいい機会だった、改めてそういわれなければいけないくらい何事もなかったかのような扱いだ。
神話によると、天照大神が地上に降り立つ孫に一束の稲穂を「日本を豊葦原の瑞穂の国にしなさい」と手渡したことが稲作の始まりとある。
稲が豊かに実り、国民が平和に暮らす国。
米は連作しても土地をやせさせないのだ。
「世の中にはいろんな考えを持った人がいるべ。
能率的に米がとれるのがいいという人もいる。
そればかりじゃない人もいる。みんな違うのさ。
んだからよ。全部一緒にしないで欲しいんだ。
俺みたいな農家も、生きられる世の中になってくれればいいなぁ」
ゆきのおじいちゃんの言葉は、今おかれている米農家の現状を語っていて心にずんとくる。
コシヒカリから始まった今年の新米は今、大野見村の特栽米にこまるです。
特別栽培によるエコロジー活動、応援します。
「雪まんま」 あべ美佳