素晴らしい画像が添付されたメールが飛び込んできました。
草原、ではなくて、公園の草です。
レイアウトを作っている人はこの草むらの完成度の高さに驚くはずです。
今触っている辺り、草が一株ずつきっちり出来ていることが分かるでしょう?
これは、公園のジオラマで線路こそありませんが、まさに実感的な情景を作っているところです。
この手は、このブログのカレンダーに載せている木津先生です。 この方は鉄道模型のジオラマも作られているので、伊達にカレンダーを載せているのではありません。 鉄道模型をしておられる人が絵を描いている、いや、逆でした、画家の方が鉄道模型もされていて、そのジオラマの完成度は素晴らしいということで、カレンダーの絵も載せています。
これは静岡県の公園のジオラマで、スケールは1/100で、HOのレイアウトに近い縮尺です。(ちなみに私はHOのレイアウトの建物や情景は1/90〜1/100で作っています)
全体の大きさは、1800×1800mm すなわちベニヤ2枚分で4分割で作られています。
大きな池を真ん中にしたジオラマのようです。
ここで、本人からのメールを紹介すると
「1800×1800㎜の総面積を4分割して900×900㎜の上に縮小した公園を作りました。鉄道模型のレイアウトとは目的が異なる為、線路敷設や電気配線、ポイントの為の分岐設備を地面下に設置する、というような作業はありませんでしたが、それらとは別の工夫が求められ、地道な苦しい作業も終わってしまえば楽しい作業でした。
★総面積の中央大部分を池が占める為、流し込みに使ったエポキシも8Lに及び、まずその材料の総量が大きなものになりました。自分も一度にこれだけの量を使ったことが無く、作業のワークフロー構築が大変でした。
水面表現や地層の基礎構築は90年代に比べて新しい材料が市場に出ているので、実験を繰り返しながらの楽しい作業となった気がします。
7割がたが水面で、森林ではない設計の公園といえど樹木の数も主なものだけで100本近くになり、自分では一番リアルに制作できる自信のある、針金の幹に静電気で細い枝を付け、その上に各種の葉を付けていく、というオーソドックスな技法で作ったので、指の皮はだいぶ剥けました。樹木の葉は秋に大量採取した落ち葉をミキサーで粉砕、着色、篩による濾し、乾燥、と素材制作にかなりの時間を要しました。
地面の砂も同様に、採取した土を水簸、篩かけ、着色、乾燥、粒子ごとに仕分け、と実際の散布までに多くの時間を要しました。」
水面の素晴らしさ、草、樹木など実景をよく観察して、どうやって作るかなど、楽しくもあり、苦しくもありというところでしょう。
水面です。
本人の談 「水面の、しかも海では無く川でもない、池の表面表現は観察以外の何物でもないな、とその難しさを体感しました。」
小さな池ではないので、大きな面積をこのレベルで作る、いや〜 素晴らしい。
花、土手の草。 世の中に雑草と呼ばれる植物はない、と牧野富太郎先生が言っていましたが、場所によって草の違いを変えている。
植物学者みたい。
木も、種類によって表情を変えている。 こんな木を100本ほど作った!!
地面にも注目!
最後に、もっともっと驚く写真を
松だ! 葉も幹も、一見して松とわかる。
アップでこれだ、このレベルだ。 どうやって作ったのだろう???
情景作りは機関車を作るのとは違います。 設計図がないし、工作の手順書などほとんどない。 観察といかにして作るかのアイデアと、実際に作るテクニックが必要です。
頑張ればこんな実感的な景色ができるんだ!! いやいや、私には無理だ〜〜
このジオラマは現在、静岡県袋井市の市庁舎に展示されているそうです。