徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

美術鑑賞における時間配分

2009-02-23 | 美術に関するお話

先週、国立国際美術館での「アヴァンギャルド・チャイナ」展へ行ってきました。

中国の現代美術の動向を紹介する展覧会です。



“アヴァンギャルド”という言葉は十数年聞いてないな・・・など思いながら入館。


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私が学生だった頃、
現代美術史で学ぶ範囲に中国事情はありませんでした。
なので、
展示作品の時代背景を理解していないため、
歴史書を読むように作品に添えられたテキストや注釈文を
丁寧に読みながら作品を見ていきました。

入館時刻は3時前でしたので、閉館まで2時間。
当初、展示を見るには充分な時間だと思っていましたが、
資料文献を丁寧に見ていると、時間がかかることが判明。
また、映像作品も多く、閉館時刻までに全作品を見るには、時間が足りないことに気付きました。

展示は地下3階と地下2階の2会場。
鑑賞する順序は地下3階から。
まだ地下2階の展示を見ていない時に、閉館のアナウンスがありました。

これは、まずい。とにかく一通りは見ておかなければ!
・・・と思い、
最後は駆け足で鑑賞。

この展覧会で私にとって最も心に残った作品は、
地下2階に展示されていた2作。
素通り状態だったため、きちんと鑑賞したと言えませんが
多くの意味を併せ持つインスタレーションと映像作品でした。

時間をかけて見るべき作品が最後に潜んでいますので、
これからこの展覧会を見ようと思われるかたは、
地下2階からご覧になったほうが良いかと思います。

または、3時間くらい鑑賞時間を見込んでいたほうがいいですね。


【 教訓 】
近頃の展覧会は映像作品が多いため
きちんと鑑賞しようと思うなら、充分な時間を確保しておく事。


そういえば・・・
昨年、同美術館で開催された「液晶絵画」展でも
展示を半分も見ないうちに時間切れになってしまったのです。
またしても同じ失敗を繰り返した自分を情けなく思いました。



Yoshie








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