徳永写真美術研究所 Column


徳永写真美術研究所(TIPA)の日常コラムです。

2016年 美術鑑賞メモ in 東京 & 年始挨拶

2016-12-29 | 美術に関するお話


2016年を振り返るなかで
自分にとって思い出深い出来事を
ブログに記載していなかったたと気づきました。

そこで
過去の事となりますが
この場で記します。

2016年の思いで深い出来事とは・・・
10月、東京に一人で行ったことです。

遠出をする際は必ず夫・Takayuki と一緒ですが
数年前から年に1,2度は単独で
遠方での美術鑑賞に出かけるようにしています。

作品を見る時は誰かと語り合うよりも
自分のペースで会場を廻り
展示物との対話を楽しみたいので。

では、旅の報告です。



今回は十数年ぶりに
夜行バスを利用しました。

早朝、高速道路のサービスエリアでの休憩の際
朝陽に照らされる富士山を見ました。



雲が全くかからない富士山を見たのは30年ぶり。
頂上に少し雪があると
葛飾北斎の有名な絵と同じやね・・・と思いながら
その美しさに感動しました。




以下、時系列で訪問先を記します。




鑑賞1)国立公文書館



「時代を超えて働く女性たち」という展示を見ました。



しかし、私の記憶に鮮明に残ったのは
常設展示されていた歴史的公文書の数々。

字は人となりを表すと言います。
直筆の文字とその人の業績を併せながら
興味深く拝見しました。





鑑賞2)東京国立近代美術館



「トーマス・ルフ」展を見ました。



展示会場での撮影がOKだったため
作品を見るよりも撮影に熱心な皆さんの姿が印象に残りました。

ルフの豪華本を持っているので
展示作品の7割は知っていて
3割は既に様々な美術館で見ていましたが
彼の作品群の中を歩くのは初めて。
ルフ作品を体感したぞ!と思いました。





鑑賞3)昭和館



「ララ物資」展を見ました。

ララ物資とは
LARA(Licensed Agencies for Relief in Asia)
アジア救援公認団体が提供していた日本
向けの援助物資のことです。

資料としての写真展示でしたが
ドキュメントの写真作品のような
説得力のある写真展示でした。





鑑賞4)町田市立国際版画美術館



1987年の開館時から行きたいと思っていた美術館です。
30年越しにやっと訪問できました。



「デイヴィッド・ホックニー版画展」を見ました。
版画展となっていますが
ドローイングや写真によるコラージュ作品も
数多く展示されていました。

この展示で気になったのは・・・
写真作品の画像が大きく変色していたこと。





鑑賞5)神奈川県立県民ホール



県民ホールという名称ですが
展示会場は美術館級の環境です。



拝見した展示は「彩り・紬ぐ -2016 横浜展-」
染織作品の展示です。
徳永写真美術研究所の講座を受講している方の展示を
拝見するために訪問しました。
仲良し展ではなく制作意識の高い展覧会だと思いました。





鑑賞6)原美術館

東京に行く際は必ず立ち寄る美術館です。
「快楽の館 K 篠山紀信」展を見ました。




これまでに何度も訪れていますが
夜間開館の時間帯に訪問するのは初めて。
夜だと随分と印象が異なるなぁーと思いながら
美術館入口に向かうなか
人の気配を感じて凝視すると
館外での展示に気づきました。
この演出にニヤリ・・・。



展示を見終えた感想は・・・
篠山紀信という写真家は
印刷物を最終形態とする作品発表が向いていると思いました。




番外報告)修学旅行列車



移動中、山手線で見ました。
 


鑑賞7)東京都庭園美術館



「クリスチャン・ボルタンスキー アニミタス_さざめく亡霊たち」展を見ました。

朝香宮夫妻の邸宅を美術館として利用した会場です。
この特殊な展示環境を活かした展示に驚きました。
クリスチャン・ボルタンスキー作品、圧巻です。




この美術館を訪れる際は
常に庭園で小一時間程ゆっくりします。
当日、雨が降りそうな・・・少し降りましたが
いつものようにベンチに座り
展覧会の余韻を楽しみました。





番外報告)一人でランチ



一人旅での定番カット。
鏡に映った自分を撮影しました。




鑑賞8)東京都写真美術館

リニューアル後、初めての訪問。
既に知ってたものの
TOP の美術館との表記に仰け反る・・・。



「杉本博司 ロスト・ヒューマン」展を見ました。



言わずもがな、圧巻でした。
入口でもらった作品解説・展示リストを読むのに疲れました。





鑑賞9)川口市立アートギャラリー・アトリア

この会場は初めて。
巨大なマンション群に囲まれた立地で
周辺住民の憩いの場として活用されているようでした。 



この会場では
「河口龍夫 - 時間の位置」展を見ました。

名古屋や京都の美術館で開催された
大規模な河口龍夫展を見てきた中では
今回は比較的小規模展示。
 しかし
氏が提示する世界を楽しむには十分なラインナップでした。



上の写真の風景を見ながら
これまでの河口作品のコンセプトに繋げて読み込むと
マンションという構造物が容器となって
人の営みを封印する作品として成立させているのでは?

妄想しました。




鑑賞10)三鷹市美術ギャラリー



「芸術写真の時代  塩谷定好」展を見ました。

恥ずかしながら告白すると・・・
私は塩谷定好という写真家を知りませんでした。
字面は微妙に知っているかな?程度です。



1899年に鳥取で生まれ
芸術写真の草分け的存在として活躍されたとの事
絵画的構図の完成度の高さに驚きました。
  
鳥取に塩谷定好写真記念館があるそうです。
近いうちに訪問しようと思います。 




以上、10会場の報告でした。


最後に



年始挨拶です。



2017年もよろしくお願いいたします。


上の富士山の存在が気になる方は
徳永写真美術研究所のブログサイトでご確認ください。


記:徳永好恵



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