丁寧に書かせる事は、教師の仕事の1つです。でも、あまりに厳しく指導しすぎると、子供がやる気をなくします。大切なのは、丁寧に書くことと、時間内に終わらせることの、バランスです。
「一ミリもはみ出さないように書きましょう」これは、なぞり書きに、有効な指導の言葉です。子供の中には、なぞり書きをするときに、うすい字をはみ出さずに書く子もいれば、うすい字の近くに書いていればいいとか、読めれば良いと思いはみ出しても平気な子がいます。だから、なぞり書きの時は、はみ出さずに書くと言うことを最初に教えないといけません。この場合は、最初は厳しく、はみ出た子に書き直しをさせる必要があります。はじめの指導の時に、はみ出しても丸をつけてしまうと、その子は「はみ出しても良い。○をもらえるから」と誤学習をしてしまいます。いちど誤学習をしてしまうとそれを修正するのは何倍も時間がかかります。
ただし、いつもいつも何度も何度も書き直しをさせるのは、その子のやる気をそいでしまいます。ときには、教師に反発すら覚えます。僕は、基本、書き直しは2度までと決めています。子供からすれば、人はいい加減な事を書いてしまったから書き直そうという気になります。しかし2度3度と書き直しを目指られるとやる気がなくなるどころか、余計いい加減に書いて、早く終わらせたいという気持ちだけが残ります。
また、書き直しをする子の中には、指先の細かな作業が苦手な、微細運動障害を持っている子供たちもいます。その子たちは、例えば手袋を2枚してそして細かい事を書くそのような状態だと言われています。大人でも、手袋2枚したまま丁寧で言うな事を書くと言うのは無理なことです。こういった後には、ほんの少しでも読める字が書ければ丁寧に書こうとしているのか分かれば、1回でも丸をつけてあげます。他の子の手前、1回は×をつけることもあります。
丁寧さの他に、もう一つ大事なことがあります。それは時間内に終わらせると言うことです。几帳面なこの中には、何度も何度も消して書き直す子供がいます。そういった子は時間内にはあらず休み時間になっても次の時間になっても書き終りません。そこで時間内に終わらせることも大事だと言うことを教えなければいけません。ある程度丁寧な字でそれも時間内に終わらせるようなスピードで書くと言うことを教えていく必要があります。
その子の様子を見て、書けるのにいい加減か、頑張ってるのに書けないか見極めて指導することが必要です。
字を丁寧に描くと言う事は、1日や2日でできることではありません。3ヶ月、半年、1年といった長いスパンで指導を継続していく必要があります。
ただし、今まで書いた事は書写や漢字指導で丁寧に書くと言う指導についてです。作文については、丁寧さや誤字脱字は大目に見ることが多いです。それよりもたくさんいろんなことを書くことが作文指導の大事な部分です。作文指導はまた別の時にブログに書きます。