工房 十一椿(toi tsubaki)

久留米絣や 大島紬など 着物を使って洋服やバッグなどの製作・販売を行っています。

"世界地図の下書き” 著 朝井リョウ

2019年06月11日 | 今日の一冊

雨の降る夏まつりの夜 小学三年の太輔は

夏祭りの目玉行事 ”願い飛ばし”に行こうと母にねだる。

「今年は我慢して 来年お父さんも一緒に三人で飛ばしに行こうね。」

母は、そう言って 雨の中 

仕事帰りの父を迎えに行き・・・・。

 

 

 

突然両親を失った太輔。

二度と戻らない”家族”

太輔は ”青葉おひさまの家”という養護施設にはいることになる。

 

様々な事情で”おひさまの家”で暮らす子供たち。

 

親との距離感

学校生活での孤独。

幼い心に それぞれが たくさんの悩みを抱えながら

日々懸命にいきていく。

いつしか お互い 欠かせない心の支えとなるのだが

 

いつまでも子供ではいられない”別れ”の時がやってきて・・。

 

****************

 

願いを飛ばす”蛍まつり”

これを成功できれば”なにか”が変わる。

 

それぞれが願いをこめて

”蛍祭り”の復活に取り組む・・。

 

 

 

小説だから 最期は ハッピーエンド!

 

・・なんて

 

絵本のような幸せな結末で終わらないところが

現実的であり

切なくもあり・・。

 

 

でも

”幸せ”な終わり方ではないかもしれませんが

いろんな”幸せの形”があり

”おひさまの家”の子供たちが

一人一人が出した決断に 

「うあわぁ・・そうくるか・・。」っと

ちょっと心揺さぶられました・・。

 

 

読み終えて 

ただただ・・一言

 

「(朝井 リョウさん) いいっ!」

 

 

 

この世界観にはまりました・・。

朝井リョウさんの他の本も読んでみたいと思います。

 

****************

 

 

 

コメント

"キケン” 著 有川 浩(ありかわ ひろ)

2019年06月06日 | 今日の一冊

某市の某町にある

”成南電気工科大学機械制御研究部”

略して・・機研・キケン。

 

 

 

 

その特殊な?!部活に所属する個性豊かな部員たちの

破天荒な大学生活を描く

青春小説??

 

ノリと突っ込み・・だけ?!で

犯罪スレスレ・・な文字通り”キケン=危険”な部活動。

 

何事においても 手を抜かない

遊び・学園祭にさえも 常に本気で全力投球!?な部長。

そんな部長に

翻弄され?ながら

ともに全力疾走しながら成長していく部員たち。

 

 

 

 

こんな人・・いないっ・・

っと

突っ込みを入れたくなるようなエピソードに

 

ついつい引きこまれ

 

いつのまにか

 

もし こんな先輩がいたら

子供でもない大人でもない”学生”という特別な時間を

もっと 濃く・深く・楽しく 過ごせたのかもしれないっと

羨ましくもなります。

 

 

 

”図書館戦争”や”旅猫リポート”など

映画化された作品も多い 有川浩さんの作品。

 

どこにでもありそうな日常生活から

ありそうにない世界を描きつつ

必ず 最後は・・

心が ほっこりする。

 

 

 

今回も・・一気に はまって読んでしまいました。

 

 

****************

 

作者のあとがきに

”・・男子というイキモノは独特の世界を持っていると思います。

男子しか共有できないその世界は 女子から見るととてもキラキラしていて・・”

 

という文章に

「あ・・わかるわかる・・。」

っと思ってしまいました。

 

よく言えば 無邪気。

 

そんな無邪気さが

満載の一冊です。

 

****************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”図書館戦争”や  ”旅猫リポート”など

映画化した作品が多いですが

 

コメント

”タマゴマジック” 著 恩田陸

2019年06月03日 | 今日の一冊

先日、福岡の大濠公園に行ってきました。

 

 

の~んびり誰に気兼ねするでもなく

大きな池のほとりでベンチに座り

 

 

 

 

読む一冊!

 

”タマゴマジック” 著 恩田陸

 

開いた1ページ目から

摩訶不思議な世界がはじまります。

どこにでもある 

でも

どこから始まったのかわからない

それでいて 日本中 誰しも一度は耳にしたことがある

不思議な 怖い・・噂話。

 

都市伝説をもとに展開されるストーリーは

途中に

作家のエッセイが組み込まれることで

一瞬 現実世界に引き戻される・・

 

あんな噂話 こんな噂話・・

 

でも それらすべての謎が紐解かれ

あぁ・・そういう意味が込められていたのかっと

納得させられる。

 

 

子供の頃

学校で まことしやかに広まっていった噂話・都市伝説。

怖いこわい・・っと言いつつ

怖いもの見たさで みんなで噂しあったあの噂話・都市伝説も

 

深~い意味が込められていたのかもしれない・・ですね

 

 

 

*****************

 

長編小説ではなく

数編のそれぞれ独立した短編に分かれているので

外でノンビリ読むのに最適な一冊です。

 

なぜなら・・外には 集中力を欠く?!要因がいっぱい・・。

 

だって・・すぐそこ 池のほとりを・・

 

 

50cmほどのカメが泳いでいったり

背びれを揺らしながら 悠々と1m強の鯉が泳いで行ったり

 

かと思いきや

雀がお菓子のおこぼれを狙って?真横まで近づいてきていたり

鵜が 子魚を捕まえるために 

目の前の水面を 何度も水中に潜ったり・・。

 

時には

こんな大きな白鳥も・・

 

 

行ったり来たり。

 

 

 

大濠公園は

一日中 いても飽きません。

 

 

静かな室内で

本の世界にどっぷりつかるのもいいですが

雑念の多い屋外で

ぽろぽろお菓子をこぼしながら

雀と戯れつつ?!

読む本も楽しいものです。

 

いいリフレッシュになりました。

コメント

”こいわすれ”~~著 畠中 恵

2019年05月28日 | 今日の一冊

今日の一冊!

 

””こいわすれ””

著 畠中 恵(はたけなか めぐみ)

 

 

お江戸・神田の町名主の跡取り息子 お気楽モノの麻之助と

色男の清十郎  堅物の吉五郎の三人の周りに起こる

難事件?怪事件??

幼なじみ三人の軽快なやりとりと

お江戸で生きる 武家・商人・町人

それぞれの人間模様が 絶妙なバランスで描かれた

まんまことシリーズの第三弾!

 

第一弾 ”まんまこと”

第二弾 ”こいしり”

 

”町名主”という

町の厄介事・揉め事を裁定するお役目の目線を通して

描かれるお江戸の町

そこに生きる人々の姿は

生き生きとして人間味あふれ

なんといっても

主人公三人の掛け合いやり取りが

おもしろい!

ほっこりしたり

涙あり・・。

 

こんな面倒見のいい

町名主(相談役)がいてくれたらいいな~と

思わせてくれる作品です。

 

 

**************

 

時代小説ではありますが

畠中恵さんの時代小説シリーズは

どの主人公も 人間味あふれ

愛嬌たっぷり。

 

時代背景も しっかり描かれているので

お江戸の歴史・知識がなくても

ついつい 引きこまれ楽しめる作品です。

 

 

作家 畠中 恵さんといえば

”しゃばけ”シリーズ 

妖(あやかし)と若旦那のファンタジー時代小説は

子供から大人まで楽しめるエンターテイメント?!な内容で

どっぷりはまって読んでしまいます。

 

その他

”ちょちょら”

”うずら大名”など

主人公が 一見頼りない・・でも

実は すごい切れ者?!という

絶妙なバランスに

毎回 いつの間にか引きこまれてしまいます。

 

********************

体調を崩した時

本を読むことで救われました。

本の世界に没頭することで

頭の中を空っぽに。。

リセットすることができる気がして

それ以来

インドア派の私にとって

読者は

欠かせない ストレス発散の一つに

なってます。

 

 

コメント (2)