新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界の不況が深刻化している。経済のもととなっている有効需要は消費と投資であるが、この消費と投資が落ち込み、失業者が増えて多くの人々が困窮化しているのは、人類にとって皮肉な話である。
なぜ皮肉な話とかと言えば、現在、日本には約9万種以上の多様な生き物が生息しているといわれ、その多くは人間の活動(経済)によって生存が脅かされているのである。
これまでも生き物の絶滅は起こっていたが、現在はかってないスピードで、多くの生き物が絶滅しつつある。絶滅危惧種の増加要因としては、地球温暖化による気候変動、環境に無配慮な経済活動、土地の乱開発、山林、里山の放置化などの環境汚染が挙げられる。
新型コロナウイルスに罹患し死亡する人もいるが、人間が多くの生き物の命を奪っている現実も忘れてはならない。
新型コロナウイルスは中国の武漢市で生じたらしいが、その中国では工場がストップ、何十年ぶりで綺麗な空気が戻り、北京市民が喜んでいる姿がニュースで報じられていた。PM2.5などの大気汚染と死亡率は、相関関係もあるようだ。
持続可能な社会を作っていくためには、技術革新による経済発展が必要であることは間違いないが、そのすべてが人間の豊かさをもたらさないということである。忘れてはならないものがあるということだ。
車は便利で目的地に早く着くことが出来るが、人間は歩かないと足が弱くなるし、スピードが速いと周辺の景色を見落とすこともある。だから、便利さが必ずしも人間の豊かさに繋がらないということである。
「経済発展を重視するか、地球を守っていくか」の二者択一を迫られたら、自分は間違いなく地球を守ろうとするだろう。地球が守られなければ、人類は存続できないからである。
生産性向上などの文明の利器は、それを使う人や使い方次第なのである。“二兎を追うものは一兎を得ず”で、両方を活かしていくのは難しいことである。
新型コロナウイルスの災禍は、生命の尊厳と共に社会のあるべき姿を考えるきっかけになっていると思う。人類を含めた多くの生き物の生存と共生社会の実現が、いま求められている。
「十勝に活性化を考える会」会長
注)絶滅危惧種
絶滅危惧種の定義の詳細は「現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用するならば、その存続は困難なもの」とされている。
絶滅危惧種の選定と保全活動に関する現状と課題
生物のある種が絶滅すること自体は、地球の生命の歴史においては無数に起きてきた事象である。 しかし、人間の経済活動がかつてないほど増大した現代では、人間活動が生物環境に与える影響は無視できないほど大きく、それによる種の絶滅も発生してきている。野生生物の絶滅は、これからの社会のあり方にも深く影響すると考えられている。
このような絶滅を防ぐためには、生息環境の保全や、場合によっては人間の直接介入(保護活動)などが必要とされることがある。
保全活動の前提として、どの種が絶滅の危機にあるのか、どの程度の危機なのか、また危機の原因はなにか、などを知る必要があり、生物種の絶滅危険程度のアセスメント(総合評価)が行われる。
アセスメントは地球規模で行われるものと、国や地域ごとに行われるものがある。 前者では国際自然保護連合 (IUCN) により、アセスメントとレッドリスト作成が行われている。また、後者では日本においては環境省が実施し、定期的にレッドリスト・レッドデータブックを公表している。ただし、クジラ類の哺乳類や海水魚、海棲の軟体動物は水産庁が担当する為、対象外となっている。トドなどの鰭脚類の哺乳類は環境省と水産庁の両方で管理されるが、評価基準が異なる。これらの事実から日本には完全にまとまった形のレッドデータブック及びレッドリストは、いまだに存在しないとする見方もある。
また、1990年代から各都道府県でも学識経験者・地元有識者の意見や生息調査に基づいて、レッドデータブックが作成・刊行されている。種の選定にあたっての現地調査の正確性や客観性に左右される、評価規準と生息実態との乖離・都道府県ごとの評価規準の不統一・レッドリストの定期的な見直し・保全地域の選定・保全計画の策定等について課題が指摘されている。
(出:『ウィキペディア(Wikipedia)』より抜粋)
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