日本には、いろいろな戦争があった。日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、太平洋戦争などである。そして今は、ロシア軍のウクライナへの軍事侵攻である。
世界を驚愕させたウクライナ紛争が始まって、はや4カ月になる。ウクライナ侵攻に対しては、NATOをはじめ西側諸国を巻き込んだウクライナ軍の反攻により、一時はロシア軍を首都キーウから駆逐するまでの善戦を見せた。だが、現状は残念ながら、ウクライナ東部や南部でロシア軍の攻勢が続き、領土のおよそ20%がロシアの占領下になったまま、膠着状態に入っている。
ロシアは1,710万平方キロの国土(日本の45倍)を持ち、人口は日本の1.2倍の約1億4,680万人。宗教はキリスト教・ユダヤ教・仏教・イスラム教など多彩で、民族は182、ロシア語のほか35の言語が公用語という文字通りの多民族連邦である。
国際法では、自由と民主主義国家であるウクライナは、NATOでもEUでも加盟するか否かは自分たちで決めることであると書かれている。また、国際法のひとつである戦時国際法は、戦争状態であってもあらゆる軍事組織が遵守すべき義務を明文化したものである。代表的なルールとして以下の9つがある。
- 軍事目標以外への攻撃禁止(降伏者、負傷者、民間人等の攻撃禁止)
- 休戦旗を揚げながら戦闘する行為
- 遭難信号を不正に発信する行為
- 赤十字旗を揚げながらの軍事行動
- 軍事的必要性を超える無差別な破壊・殺戮
- 捕虜虐待の禁止
- 対人地雷使用の制限
- 化学生物兵器使用の制限
- 開戦に先立つ宣戦布告義務
ただ、国際法は強制ではなく、国内裁判所のように強制力がなく強制する機関もないのが実情である。国際法では、アメリカの軍事力は別にして、国際法違反に制裁を加え遵守を強制する機関がない。そのような機関を設置することは、かえって国家に対する主権侵害となってしまいかねないからである。その意味では、強制力がない国際法の拘束力には疑問がもたれることもあり、これは国際法の最大の弱点でもある。
戦時国際法は、戦時のみに適用されるわけではなく、宣戦布告されていない状態での軍事衝突であっても、あらゆる軍事組織に対して適用されるものである。同法は戦時における国際法であるため、まず時間的な適用の範囲が規定されることとなる。つまり適用開始の要件と終了の要件である。
戦時国際法は武力紛争の存在を適用開始の要件としており、宣戦布告の有無や戦争状態の認定を問わない。更に、戦時国際法の適用を終了する要件としては、紛争当事国の軍事行動の終了時、または占領の終了時である。国際、法に照らして、ウクライナ戦争はいつ終わるのだろうと思っている。
国際法に関連するが、太平洋戦争は日本が仕掛けた正当性のない卑劣な真珠湾攻撃の結果、アメリカと日本が交戦状態に入ったのである。開戦布告前の1時間前に行なわれたルール違反で、太平洋戦争は始まったらしい。
先日、国際会議がロシアのサンクトペテルブルクで開かれた。 サンクトベテルブルクは、エルミタージュ美術館などのロシア文化の中心地であるが、ロシア国民がウクライナ戦争に無関心のように写しだされていたのが印象的で、プーチン大統領の支持率が国内で高い理由が戦争に無関心にあることが理解できた。
「十勝の活性化を考える会」会員