” 一期一会“とは、戦国時代から安土桃山時代にかけて、茶の世界で活躍した千利休の言葉であると言われている。本当の意味は、一生に一度だけの出会いや機会を大切にすることである。
初めての人との出会いだけでなく、同じ人でもその時の出会いは一度きりであると思って大事にするということである。日々の当たり前の出会いも一期一会だと思えば、より感謝できるだろう。
先日、50年来の友人夫婦が、柴犬を連れて自宅に花見に来た。子どもたちが同じ校区であったので家も近いところにある。私が11年前の脳出血で倒れた時、彼は半年間、毎日のように病院に見舞いに来てくれたので頭が上がらない。
その友人の奥さんが20年間もお茶をやっているが、この一期一会の言葉が千利休に由来することを知らなかった。当然、私も知らず、彼のみが知っていた知識人であるが毒舌家でもある。なお、彼の祖先はお坊さんであったらしい。
彼の趣味は絵画で、私の趣味はガーデニングである。この二つの趣味は、生き物とそうでない違いがあるが、対象物の配置関係は同じである。すなわち、バランスが大切である。
彼の描いた絵に、彼の愛犬と他人のゴールデンレトリバーの愛犬が仲良く遊ぶ絵があった。柴犬は主人に従順であるが猟犬で、他人にはあまりなつかない犬である。二匹の犬は犬種が違うが、相性があったのだろう。親同士の仲が良ければ、犬同士も仲が良いのである。だから、隣同士の人とは仲よくしよう。
ところで、バランスの話であるが、“着眼大局”という言葉に置き換えても良いだろう。着眼大局とは、物事全体を俯瞰して重要なものを見抜き注目することで、我々が生きていくにあたって大切だろう。我々はともすれば自分の考えに固執して、他人の意見を聞こうとしない。それが、ロシアのプーチン大統領のように国同士の戦争に発展する時もある。
「十勝の活性化を考える会」会員