十勝に来て思ったこと
十勝に来て1年が過ぎた。転勤のつど新しい土地での生活に早く慣れようと、街歩きやドライブにいそしんできた。
当地でもさっそく試みているが、正直なところかなり勝手が違う。産業構造もさることながら、美しい自然、美味しい水と空気、新鮮な食材、それらを活かした食の数々、都会暮らしに慣れきった者からすれば、毎日が非日常的な連続だ。私が転勤族であることを言うと、「ここは何もないでしょ」とよく言われる。「とんでもない、たくさんあります」と即座にお返ししている。
そういう理由で、十勝で推進されている食や観光を柱とする地域振興の方向性に異論はない。農業分野での情報通信技術の活用や民間宇宙ロケットの打上げなど、先進的な取組みも多く見られる。
ところで、これまでの勤務地を大きな地域圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏、北海道)として捉えると、東京圏以外の地域圏には、ある共通点がある。共通点とは、人口減少問題である。ここ数年、教育や医療・福祉・文化施設、交通インフラが整っていると思える大阪圏や名古屋圏でも、北海道と同様に若年層を中心とした人口減少が続き、東京圏への人口集中が止まらない。
よく言われるのは、就職や教育における東京圏の優位性だ。また、経済のサービス化が進む中、人口集積が経済の効率性を高め、それが更なる人口集積を招いている。
東京圏が若者を惹きつけて止まない背景には、「夢」や「憧れ」といった決して無視できない要素も多分にあると思う。
その点で、十勝はどうか。豊富な土地と先人の苦労のうえに築き上げられた大地。農畜産業による美味しい食、訪れる者を魅了する観光、航空宇宙産業、再生可能エネルギーの取組みなど、この大地には「夢」や「目標」となる物がすでにあり、着実に芽吹きつつある。
そしてこの十勝が、日本再生のお手本になれば良いと思っている。十勝には、その可能性や資源は充分にある。
「十勝の活性化を考える会」ブログ読者
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