茨城県南部、土浦の駅前通りを北に10分くらい歩くと、いつもごま油の香ばしい匂いがする。
ふるい木造家屋に暖簾がかかっている。
土浦のガイドブックに必ずでてくる有名な?保立食堂。
明治から創業しているという。
暖簾がくたびれている。
第2次大戦中、土浦の予科練生がここで親族と食事をしたなどの話を聞く。
帰らぬ人もいたことを思うと、食堂全体のくたびれた感じがしみじみする。
ごま油の香りから江戸前と思うが、ひとけがなくて、中が薄暗いので入りにくい。
ガイドブックにあってもそんなに流行っていないようだ。
そもそも、土浦に観光に来る人は少ない。
安西水丸さんに地方のお城巡りの本がある。
土浦城を訪れたついでに、この店で「特上かき揚げ定食」を注文したら、「特大」のが出てきて困った、という話があった。
いったん通り過ぎて、店の全景を撮った。
二階はお座敷になっているようだが、もう使われていない雰囲気。
安西さんを偲んで、特上のかき揚げ定食に挑戦するのもよいかもと思いつつ、思案してやめた。
ちょっと寂しいグルメ案内でした。
ではまた、ぶらり。