「大きい傘要らんか?」
朝から雨の京都
そう言われ
「ええわ。おおきに」
と、応える
また来るからねと母にいい
毎日電話していても
心はやはり辛い
そばにいてあげたい
そう思いつつ外に出れば
雨は上がり
傘もささずにバス停に急ぐ
バスと地下鉄で駅について
ホームにいると
激しい雨の音が聞こえてきた
「また帰るし待っててな」
1人つぶやく
ひとしきり激しく降った雨は上がり
駅のホームの隙間から青空が覗く
それだから真剣
それだから真剣
今年のお正月に
刻み込まれたことは
深くて大きい
無限ではない無常の世界だからこそ
ひとときひとときが尊い