小さな名もなき花の妖精は
小さな花びらの上にいつも寝ているのですが
よく落ちたりします。
どうも寝心地はよくありません。
1羽の鳥が彼女を見つけて
「それでは寝苦しいだろう?少しは大きな薔薇の花のようなふかふかの所で寝ないと、休まらないよ。僕は君が不安定に眠っているのを見ると心配になるんだよ。」
そう言いました。
妖精は頬を赤く染めて
見つかったのを恥ずかしがりました。
「………大丈夫。」
それだけ言うと、笑いました。
本当はそんな大きなお花のベッドがほしいけれど
彼女の庭は小さくて
小さな花しか咲かないのです。
鳥は近くにやってきて言いました。
薔薇の花の苗を植えなさい。
他にも色んなお花の種を蒔きなさい。
いずれは花が咲いて
君も少しはゆっくり眠れるようになる。
彼女は以前は
草の上に眠っていたので
今の小さな花のベッドでも嬉しいのです。
妖精は
鳥さんの優しさに嬉しくなり
鳥さんが羽ばたいて行った後で
一人で両手で頬を包んで
「私の眠るところなど、誰が気にするものでしょう。ああ、今日は朝からこんな優しい言葉をもらったことで、また明るい1日になるわ」
そして彼女は想いました。
「私も誰かを優しく気づかえる人になりたいわ。優しさをたくさんたくさんもらったのだから、私も誰かに優しさをたくさんたくさんお渡ししたいものだわ」
彼女は小さなお花の上でぴょんぴょん跳ねました。
笑顔が輝いておりました。
今日は本当に久しぶりに青空が顔を出したものですから
ちょっとうれしくなって
こんな物語を💕