イチローから学ぶもの

★★★　プレッシャーに打ち勝つとは

　今夜のＮＨＫ総合テレビの「プロフェッショナル／仕事の流儀　イチロースペシャル」を見ていて驚いたことがあります。
　その中で、「イチローさんはプレッシャーに弱いタイプですか。」という質問に対して、彼は「弱いですね。プレッシャーにすごく弱いタイプだと思います。」と即答した。

　意外でした。
　凡人ならまだしも、いつも飄々としている彼からそのような答が出てくるとは思いませんでした。
個人的には彼はプロ中のプロだと思っていたものですから、その意外性は自分の中では驚きだったのです。
彼は、野球人というよりも野球職人、大リーグに行ってからは侍のような雰囲気をも漂わす彼からこのような答が出るとは思いませんでした。

　また、彼は「『精神』を乗り越えれるものは『技術』しかない。」とも言っていました。
それは、精神で乗り越えれるには限界があるからだとも。
凡人の私からすれば、技術こそ一定のところまでいくと伸び悩み、そこから先は強靭な精神性が優劣を決めるものだと、ずっと思っていました。

　彼の研ぎ澄まされた肉体は、条件反射的に反応する肉体まで達しており、そのことが悪球にまで手を出してしまうというのであります。
通常の選手は、山をはり甘い球が来るまで待つのだそうです。
しかし、イチロー選手は体が勝手に動いてしまい、自分のイメージする打撃に近づけないで苦しんでいるという胸のうちをさらけ出していました。

　人というものをここまで突き詰めれるものなのでしょうか。
　彼は自分の肉体的な特徴（自分の筋肉の体質まで把握していました）だけでなく、自己の精神的な面まで的確に把握し、どうしていけばいいかまでわかりながら苦しんでいるのです。
　凡人が迷ったらリ、苦しむのは当たり前かと、なんだかホッとしました。

　そして、彼は自分の課題を整理し、それを乗り越えるためのテーマを設定し、そのためには何をなすべきかを自分に課しています。
　年が変わり、私自身も自分にとって、今、何が課題で、そのためにはどのようなテーマを設定し、それを解決していく方法を計画的に組み立てて実践したいと改めて思い知らされました。　

　彼の当面のテーマは

　　　　プレッシャーを乗り越えるのではなく、プレッシャーに
　　　　立ち向かっていくことが自分のミッションだと。