勃ちあがった象の白い涙の物語

ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる

「Heart Song」 クリス・ハート

2013-08-25 09:30:00 | 音楽
アマゾンのレビューを見る限り、その評価はすっごくいい。
でも、個人的には、そうかぁ?と思ってしまう。

クリス・ハートは、正直、歌は上手い。
収録されている楽曲も、J-POPの名曲ばかりだ。
はっきりいって、これだけのいい素材をそろえているのだから、それなりに素晴らしいアルバムになるというのは、簡単に予想が付く。
おそらく、このアルバムを絶賛する人は、この予想を思い込んで聴いているだけか、ちゃんとした評価能力に欠けている人なんじゃないか、と思う。
冷静に聴けば、さほどいい出来のアルバムではない。

はっきりいって、このアルバムの失敗は、ひとえにプロデューサーにその責任が大である、と思う。
クリス・ハートの歌の上手さは、正直、認めざるえない。カラオケの採点機なんかでは、かなりの高得点を獲得できるだろう。
しかし、その歌の上手さは、モータウン・ソウル系の歌の上手さであって、日本の楽曲に合うような歌い方ではない。
つまりは、彼の歌い方がスマートすぎるのである。

良くも悪くも、日本語で歌を歌うと、どうしても演歌調の感じになってしまう。
洋楽を日本語でカバーするような楽曲がよくあるが、そういう場合に原曲とカバー曲を聴き比べてみればよくわかるが、日本語の持つ語感は、どうしても演歌的なイメージをその楽曲に与えてしまうことになる。
それだけに、その日本語の楽曲を、より感動的に歌おうとするならば、こぶしやしゃくりといった、演歌的な技法が少なからず必要になってくる。
僕は、そう思っている。

それに対し、クリス・ハートの歌い方には、そういう演歌的な要素が、一切無い。
おまけに、選ばれている楽曲は、そういう技法を求めるような楽曲ばかりだ。
はっきりいって、これでいいモノができるなんて考えるのが間違いである。

クリス・ハートじしんは、それなりに優れた素材だと思う。
できれば、英語なんかで歌わせれば、もしくは、日本語でも、もっと彼の歌い方にあった楽曲を選べば、それなりにいいモノは出来るんじゃないか。

次回作に期待したい。




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