残業代ゼロ法案はどうなるのか

　高度プロフェッショナルを対象に残業代を払わない制度が連合と政府、経団連の間でまとめられようとしていますが、連合内でもゴタゴタしているようで、政労使の話し合いは延期されたとのことです。

　残業代を支払わなくても良い人の収入は1075万円だったかなと言うことで、かなりの高額なので一般の平社員レベルや係長、主任レベルの組合員がこれだけの収入を得るのは、よほどの大企業でもありえるとは思えないので、特殊な会社しかないだろうと思います。ですから、一般の労働者には関係なさそうに思いますから、導入してもいいんじゃないって感じもしないではありません。

　ただ、怖いのはこの収入の制限が徐々に下げられていくと、いつのまにかこの制度の対象になる労働者がでてこないとも限りません。その辺がどのように定められているのかがわからないので、何かちょっと不安です。

　あとは連合は日本最大の労働組合の集まりですが、労働者全体からすると連合傘下の労働組合の組合員の数は限られるので、労働者全体の代表と言えるのかというのもあります。他のナショナルセンターの全労協や全労連はたぶんこの制度に対しては反対のはずですし、連合内でも反対している人がいるようなので、そのような状態で労働者の代表として制度の導入を認めてしまうのはいかがかとも思います。

　この制度を導入するにあたっては、もっと労働界で冷静な議論をすべきではないかと思います。